ドラマ乱立の陰でプロから名作と評価される小池栄子「コタツがない家」の面白さとは

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 ドラマが乱立している割りに、今クールは前期「VIVANT」(TBS)のような傑出した作品が見当たらない。何を見たらいいのかわからないとお嘆きのあなたに、プロが高く評価するドラマをお教えしよう。

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 月9「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」(フジテレビ)は、二宮和也と中谷美紀と大沢たかおのトリプル主演が話題になったものの、第6話(11月13日)の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)は4・3%に落ち込んだ。

 鈴木亮平が主演の日曜劇場「下剋上球児」は、第5話(11月12日)で10・1%と二桁に持ち直したものの、前作「VIVANT」には遠く及ばない。

 今期のドラマは民放のプライム帯だけでも16本。NHKや深夜帯まで含めたら40本以上になる。民放プロデューサーは言う。

「正直言って、どれを見たらいいのかよく分からないと嘆く視聴者は少なくないと思います。しかし、こんな乱立状況でなければ、間違いなく“名作”と讃えられたはずなのが『コタツがない家』(日本テレビ)だと思います」

 水曜22時の「水曜ドラマ」枠だ。

「2022年の向田邦子賞を受賞した『俺の話は長い』(日テレ・19年10月期)や『コントが始まる』(同前・21年4月期)などで知られる金子茂樹 のオリジナル脚本で、どこにでもある“ちょっと足りない”家族の人間模様が描かれます。台詞がいちいち面白くて頷けるのは、これまで彼が手がけた作品と同様です」

 タイトルがちょっと地味なような……。

渋いキャスティング

「裏のドラマ『パリピ孔明』(フジテレビ)に比べると確かに引きは強くないかもしれませんが、これも金子脚本らしい良さと言っていいでしょう」

 キャストも正直言って……。

「今をときめく男優女優は出ていませんが、ドラマ好きにはたまらない渋いキャスティングで、実力者を揃えています。主演は大河『鎌倉殿の13人』(NHK)で北条政子を演じて以来、国民的お母さんとなった小池栄子(43)。彼女は遣り手のウェディングプランナーを演じています。その夫役は“寅さんの甥”にして『北の国から』(フジ)や『Dr.コトー診療所』(同前)、映画『三丁目の夕日』シリーズなど多くのヒット作で主演を務める吉岡秀隆(53)。彼は廃業寸前の売れない漫画家です。さらに、日本アカデミー賞最優秀助演男優賞に2度も輝いた小林薫(72)が熟年離婚された小池の父親役。また、小池と吉岡の一人息子役にHiHi Jetsのメンバー・作間龍斗(21)。稼ぎ頭の小池とダメ男3人が織りなす、どこか身につまされる人間模様です」

 ローンも完済した一戸建ての広いリビングが主要な舞台となるのだが、家族が揃うことはあまりない。小池から寝室を拒絶された吉岡は、リビングのソファで寝起きしている。リビングには和室も付いているのだが、タイトル通りコタツはない。

「ニュース番組のキャスターも務めるホラン千秋(35)、元芸人で放送作家の野々村友紀子(49)、お笑いコンビ・マシンガンズの西堀亮(49)など、ドラマでは珍しい顔ぶれも楽しみになってきます」

 秀逸なのは主題歌だという。

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