「私人逮捕系YouTuber」がまた逮捕 「でっち上げ覚醒剤売買の現場」に呼び出され逮捕されそうになった50代元受刑者の告白「警察もメチャクチャでした」

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 警視庁薬物銃器対策課は11月20日、YouTubeチャンネル「ガッツch(チャンネル)」の“中島蓮”こと今野蓮容疑者(30)と奥村路丈容疑者(28)を、覚醒剤取締法違反(所持)の容疑で逮捕した。“煉獄コロアキ”こと杉田一明容疑者(40)に続く「私人逮捕系YouTuber」の逮捕である。今野容疑者らは他人を罠にハメて誘き出し、「犯罪の誘発」までしてネタ動画を撮影していた。彼らに騙され、危うく逮捕されそうになった元受刑者(50代)が受けた仕打ちとはーー。

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女性を装い「覚醒剤を持ってきて」

 痴漢・盗撮の撲滅を掲げた私人逮捕系YouTubeチャンネル「ガッツch」の登録者数は約26万人。一部の女性支持者からは「痴漢の摘発に貢献している」と称賛の声が上がっていたが、化の皮が剥がれてしまった。

 まずは今回の逮捕容疑から説明する。彼らがターゲットに据えたのは、ネット掲示板で見つけた覚醒剤の使用経験がある男性X氏だった。

「8月上旬、今野容疑者らは掲示板の中で女性を装ってX氏に近づき、『一緒に薬物を楽しもう』と声をかけた。待ち合わせまでの連絡方法は、“消えるSNS”として犯罪現場でよく使われるテレグラムを指定。嘘を信じたX氏は、8月15日、横浜市内の路上で覚醒剤を購入し、待ち合わせに指定されたJR新宿駅に向かった」(警視庁担当記者)

 だが、待ち合わせ場所に待機していたのは、「覚醒剤を持った男が現れる」との通報を受けた新宿警察署員だった。通報したのは今野容疑者らだ。警察署員はX氏に職務質問をかけ、持ち物検査で覚醒剤を発見して現行犯逮捕。今野容疑者らはその模様を遠巻きに撮影し、後日、YouTubeにアップした。納得がいかないのは捕まったX氏である。

「警察から調べを受ける中で、『逮捕現場に駆けつけていたあのYouTuberにハメられたに違いない』と訴えた。実際、今野容疑者らは後に削除した配信動画の中で“手柄”を主張するあまり、自分たちが仕組んだことがわかる情報も出していた。警察は、今野容疑者らが善意の通報者ではなく覚醒剤取引を教唆したと判断してX氏を釈放。逆に今野容疑者らを逮捕したのです」(同前)

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