拘置所にいる工藤會の野村総裁にアイロンがけのシャツが連日差し入れされている
新理事長は6代目田中組トップ
5代目工藤會の野村悟総裁と田上文雄会長の控訴審が続く中、新執行部人事が出回ったことはすでに報じた通りだ。警察もその実態を把握し、包囲網を敷いているところのようだ。11月29日に次回公判が近づく中、野村総裁に対する工藤會内での存在感を物語るエピソードが聞こえてきた。
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10月20日付の工藤会の新執行部人事について改めておさらいしておこう。
合計6つの事件に関与したとして組織犯罪処罰法違反の殺人未遂罪で起訴され、1審で無期懲役判決が下った菊池啓吾理事長に代わり、幹事長だった6代目田中組の後藤靖組長が理事長となった。
その他については、舎弟頭に長谷川泰三組長(独り親方)、会長補佐に石田組の石田正雄組長、総本部長に池田組の池田和生組長、幹事長に2代目長谷川組の高橋義博組長、理事長補佐は4人で、塩見組の塩見直之組長、山中組の山中政吉組長、6代目林組の影浦壱治組長、緒方組の緒方哲徳組長となっている。
KT・10のナゾ
「後藤新理事長は田中組の6代目を務めていますが、系譜をさかのぼると、5代目が菊池前理事長、4代目が田上会長、そして3代目が野村総裁ということで、依然として工藤會の田中組支配が続いているとみることもできるでしょう」
と、担当記者。
「先日、工藤會の田中十四春(としはる)事務局長が率いる田中十(とし)組の事務所が工藤會の本部として認定されました」(同)
工藤會の「K」に田中の「T」、そして十四春の「10」を並べた「KT・10」という看板を掲げているという。2次団体の事務所が本部となるのは極めてまれなケースだが……。
「何度か執行部会議をここで開いた点から当局がここを本部だと認定したようです。といっても使用禁止状態になっているとみられますが」
と、竹垣悟氏(元暴力団組長で、現在はNPO法人主宰)。
一方、今年9月にスタートした控訴審は、野村総裁の死刑回避が工藤會側の最大の目標となっているようだ。
「2021年8月の1審判決では、野村総裁が元漁協組合長射殺(1998年)、福岡県警の元警部銃撃(2012年)、看護師刺傷(2013年)、そして歯科医師刺傷(2014年)の4事件の首謀者と断じ、野村総裁に死刑、ナンバー2の田上会長に無期懲役を言い渡していました」(先の記者)
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