「豚肉輸入事業への投資に失敗して144億円が回収不能に」 サントリー新浪社長はローソン子会社の「巨額不正流用」を本当に知らなかったのか? 「逮捕された直属の部下は投資について新浪さんに相談していた」
「“肉の先物です”と言っていた」
「Aのことは、彼がローソンエンタの前身のローソンチケットに入社した頃から知っています。事件発覚の3年くらい前、つまり07年ごろにAから“飲みに行きませんか”と誘われ、それから2~3カ月に1度くらいのペースで飲みに行くようになりました」
そう振り返るのは、さる音楽プロモーターである。
「Aは一緒に飲んでいる時、“新浪さんからだ”と言って、新浪さんの名前が表示されている携帯を自慢げに見せて、私の目の前で電話で新浪さんと会話をすることがありました。その時に、“〇億円投資します。いいですよね?”“やります”という話をしていたのです。金額はうろ覚えですが、数億円だったのは間違いありません」
この音楽プロモーターは計3回、A元専務が新浪氏と電話で投資について話しているのを目撃したという。
「金額を出していたのは最初の1回だけで、残り2回は“今進めていますから”という内容でした。私が“何の投資してるんだ?”と聞いたら、“肉の先物です”と言っていて、私が“肉なんて素人が一番手を出しちゃいけないヤツだ”と忠告したのをハッキリ覚えています」
A元専務のマンションを訪ねると…
この証言についてA元専務は何と言うか。現在、東京都内の賃貸マンションでひっそりと暮らす彼のもとを訪ねた。
――Aさんと新浪氏が投資について電話で話すのを聞いていた人がいる。
「ええ」
――そのやり取りというのは、Aさんが新浪氏に、数億円「投資します。いいですよね?」と投資の許可を得ているものです。
「……」
――話を聞いていた人が何の投資かと尋ねたらAさんは「肉の先物」と答えたと聞きましたが覚えている?
「……」
――プレジールの件で流用されたお金は豚肉事業などへの投資に使われたようですが、これは新浪氏も投資について把握していた、ということではないのか?
「申し訳ないですが、これ以上お答えできることはありませんので……」
音楽プロモーターの証言について、新浪氏にもサントリーを通じて取材を申し込んだところ、以下の回答が寄せられた。
「新浪と元ローソンエンターメディア専務のA氏とは、ご質問のような関係は全くございません」
ジャニーズ問題も含め、歯に衣着せぬ発言で注目を集めてきた新浪氏だが、自身に関する数々の疑惑については、説明責任を果たしているとは到底言えないのではないか。
11月22日発売の「週刊新潮」では、新浪氏の新たな疑惑について、当時の第三者委員会の調査でも指摘されていた不可解な点を交え、詳しく報じる。
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