【日本代表】ミャンマーに大勝しても、改めて浮き彫りになる「海外組が抱える大問題」

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 カタールW杯の激闘から約1年、3年後の北中米W杯への戦いが11月16日にスタートした。とはいえ、相手は前回のアジア2次予選のホームで10-0と圧倒したミャンマー。「勝って当然」の相手から5点を奪って快勝したが、収穫もあれば長年の課題が浮き彫りにもなった興味深い一戦だった。

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 まず収穫としては、試合前の段階でCB板倉滉、MF旗手怜央、FW中村敬斗らがケガでメンバーから外れただけでなく、MF伊藤敦樹、川辺駿、FW古橋亨梧、前田大然らもケガや体調不良で代表を辞退。さらに、帰国したもののFW三笘薫がケガのためチームを離脱し、DF冨安健洋もチームドクターの報告を受け、森保一監督はミャンマー戦をベンチ外とした。

 さらに、21日にアウェーで行われるシリア戦を考慮して、森保監督は不動のレギュラーだった右SB菅原由勢、ボランチでキャプテンの遠藤航、FW伊東純也と久保建英を温存した。それでもCF上田綺世がハットトリックを達成しただけでなく、復調傾向にあるMF南野拓実が2アシストをマークすれば、初招集のMF佐野海舟もボール奪取やタテに差し込む速いパスなどで持ち味を発揮。相手の実力を考えれば「当然」と言えるかもしれないが、日本は選手層の厚さを見せつけた。

 もう一つの収穫も「当然」と言ってしまえば身も蓋もないが、日本の1点目と2点目は経験値の高さをうかがわせるゴールだった。

 前回21年5月28日の対戦で0-10と大敗しているだけに、ミャンマーは5-4-1の守備的な布陣で臨んできた。時にはMFの両サイドもDFラインに下がり、7人でゴール前を固めるシーンもあった。その狙いをドイツ人のミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督は「守備に徹して前回のような10-0は避けたかった」と語った。

成熟した日本代表

 レベルアップしているのは日本だけではない。アジア各国も日々進化しており、ミャンマーもW杯2次予選に「参加する」レベルを脱し、あわよくば2位に食い込んで最終予選進出を狙っている。そのため、得失点差を少しでも減らそうとしての守備固めだった。

 自陣ゴール前のスペースを徹底して消しにかかる。彼らの決意がうかがえる立ち上がりでもあった。そして、専守防衛の相手からゴールを奪う有効な手段は、一つは空中戦である。足でのシュートはスライディングなどでブロックできるが、ヘディングシュートはブロックのしようがない。ゴール枠に飛んだらGKに任せるしかないが、11分の上田のヘディングシュートはGKも防ぎようのないコースへ飛んだ一撃だった。

 そして守備を固める相手にもう一つ有効な攻撃として、ミドルやロングレンジからのシュートが挙げられる。攻めあぐねたシーンでテレビの解説者がよく口にする攻撃方法だが、前半28分にMF鎌田大地が左足での強烈な一撃で追加点を奪い、試合の趨勢を決めた。

 森保監督の指示を待つまでもなく、守備を固める相手からセオリー通りの攻撃でゴールをこじ開けたあたり、選手個人の経験値の高さとチームとしての成熟度を感じさせる前半の戦いぶりと言える。

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