「岸田政権の終わらせ方」を模索し始めた首相の奇策 「国民をバカにするな」の繰返しは回避できるのか

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国民をバカにしている

「憲法改正は衆参国会議員の3分の2の賛成を得たうえで行われる国民投票で過半数の賛成を取らなければならず、それが達成できなければ政権は退陣を余儀なくされることになるでしょう。それくらいリスクがあるわけですが、岸田官邸はその手前の、憲法改正に賛成するか否かを争点に解散したらどうなるかについてシミュレーションをしていると聞いています」(同)

 自民党は憲法改正を党是として作られた政党だから、争点にすることに何ら問題はない。改正のポイントを絞って訴えたうえで解散に打って出るというイメージなのだろう。

「賛成か反対かに焦点を絞ることができれば、自民党の勝敗ラインは単独過半数にまで下がってくる。少なくとも自公維までは憲法改正そのものに反対することはないでしょうし、昔と違って原理主義的な護憲派は国民にも多くない。そのため、ある意味で負けはないのではないかと見られています。とはいえ、これもまた増税同様に下心があると見られれば、そもそも国民をバカにしていると言われかねない。今のところ実現性は低そうですが、岸田首相はあまのじゃくで意固地なところもあるようなので、可能性がゼロとは言えないですね」(同)

大谷翔平に学べ

 その場合は捨て身の解散作戦とならざるを得ず、落選した議員らから恨みを大いに買うことになりそうだが……。

「その一方で、来年9月の自民党総裁選前に解散せず総裁選にも出馬せずで、穏当な形で政権移譲を進めるというやり方も模索しているようです。党内でそこまで敵を作らず、将来的にキングメーカーとして振る舞える余地を残すということですね。所属する宏池会は党内第4勢力ではありますが、元首相の肩書きで勢力拡大役を担うなら伸びしろはまだあるのかもしれませんが」(同)

 それでも、こんな見方も口にする。

「今回の所得税減税ひとつ取っても、もう少しスピーディーにできたのではないかというのはしばしば言われることです。大谷翔平選手が日本全国の小学校にグラブを3つずつ配ると11月に発表しましたが、実際に12月から配り始めるとのこと。一方で所得税減税は来年6月。減税が始まる頃には大谷選手はグラブを配り終えてしまってるよと言われています。もちろん両者は同じレベルで語ることではないのですが、そんな陰口が出るくらい永田町ですら岸田官邸の仕事の遅さへの不満があるのです」(同)

「今回は本気だ」「今回は早かった」そんな印象を与える手が打ち出せれば支持率回復にインパクトがありそうなものだが、果たして……。

デイリー新潮編集部

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