義母、愛犬の死で年上妻が口にした“ありえない言葉” 不倫を疑われ51歳夫がとった意外過ぎる行動とは

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「その年で浮気なんてやめてよ」

 翌日、息子と一緒にワンコを荼毘に付した。息子は小さな骨壺をリュックに入れ、そのまま赴任地へ帰っていった。享平さんが自宅に帰ると、妻はひとりで相当飲んだのか眠っていたが、ふっと目を覚まして携帯電話を彼に突きつけてきた。

「見ると、僕と麻耶子さんが一緒にいるところが写っていた。誰が撮ったのか知らないけど鮮明でしたね。『誰?』と聞かれて『学生時代の友だちのひとり』と答えました。みんなで飲みに行ったあと、たまたまふたりになったところだろ。何が問題なのと聞くと、妻は『その年で浮気なんてやめてよ、みっともないから』とまたソファに倒れ込んだ」

 彼はそのまま身の回りのものを持って家を出た。その日は会社近くのビジネスホテルに泊まった。翌日、出勤後に不動産屋を訪ねてワンルームのマンションを契約した。いきなり別居に突入したのだ。妻には何も言わないままに。

「息子に状況を電話で話したら、息子は苦笑していました。おとうさんはいいの、それでと言われたから、少し離れて考えてみると答えたんです。心配すると悪いと思って、今日から別の場所に寝泊まりすると妻に連絡したら、『わかった』って。どこにいるかも気にならないのかと驚きました」

 あれから11ヶ月。もうじき年が暮れてしまうが、妻とは数回、LINEでやりとりがあっただけだ。何度か洋服などを取りには帰った。だが妻がいる時間に行く気がしない。麻耶子さんには妻から連絡があったことを最近、知った。

「何もない、ただの友だちであること、疑われるのは心外であることを、麻耶子さんははっきり伝えたそうです。電話でそれを聞いて、恋愛関係でもないのに申し訳ないと謝ったら、麻耶子さんから『このまま友だちとしてつきあえる?』と言われたんです。友だちとしてつきあっていても疑われるのは困るということなのか、いっそ恋愛関係になりましょうと言われているのかわからないんです」

 ここは相手の出方を待つしかないと享平さんはつぶやいた。妻との関係はこのまま膠着状態が続くだろうと予想している。その間に麻耶子さんとの関係がどうなるのか、自分でもわからないが、ここまできたら流れに任せるのも楽しいかもしれませんと、彼は少しだけ不敵ともみえる笑みを浮かべた。

前編【職場の“7歳年上”女性に狙われた新入社員 トントン拍子に交際、突然の妊娠…51歳男性が振り返る“特急列車婚”の末路】からのつづき

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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