義母、愛犬の死で年上妻が口にした“ありえない言葉” 不倫を疑われ51歳夫がとった意外過ぎる行動とは
またも妻の口から冷たい言葉が…
1ヶ月に1度程度のわりで、享平さんは麻耶子さんに会うようになった。一緒に美術館へ行ったり映画を観たり、ときにはカラオケに行ったり。もちろんおいしいものを一緒に食べたり。妻とはそんな時間を過ごすことがついぞなかったと享平さんは思っていた。
「昨年の暮れからワンコの具合が悪くなって、必死に看病したんだけどとうとうお正月に死んだんです。ちょうど息子も帰ってきていて家族3人で見送ることができた。僕も息子も意気消沈して……。瑠美は息子に『しょうがないよ、寿命なんだから。さ、食べよう』と息子のために買ったちょっと高級なおせちを勧めた。でも息子はあまり食欲がない、と。そりゃそうですよね、僕もそうだった。すると瑠美は『なによ、犬ごときで大の男がふたりとも落ち込んで』って。ムッとして顔を上げると、息子が母親に詰め寄りそうになっていた。あわてて止めましたよ。そのまま息子を連れ出して、近くのファミレスでふたりでワンコを追悼しながら飲みました。『おかあさんはいつも冷たい。子どものころからそう思ってたよ』と息子が言い出して。やはり息子にとっては愛情の欠けた環境だったんだと申し訳なく思いました」
おとうさんはいつもかわいがってくれたよと息子は言ってくれた。おかあさんは合理的ではないことに対して深い興味は抱かないとも言った。よく見ていると享平さんは感じたそうだ。母として息子に愛情はあるのだが、それを表現するのは彼女にとってあまり合理的ではなかったし、幼い息子のために時間を割くのも彼女の生活にとって合理的ではなかったのだろう。
「そういう人だと納得してからは気が楽になっていたけど、今日は久々に気持ちが乱されたと息子は苦笑していました。当然だよ、ワンコとオレらは兄弟みたいだったもんなと言いあってまた泣きそうになって。ともかく、おかあさんとは表面上だけでもいいからうまくやってほしいと息子に頼んで一緒に帰宅したんです」
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