職場の“7歳年上”女性に狙われた新入社員 トントン拍子に交際、突然の妊娠…51歳男性が振り返る“特急列車婚”の末路
瑠美さんからのアプローチ
そんな瑠美さんにアプローチするのは大変だっただろうと思っていたが、実際は彼女から近づいてきたのだという。配属された部署で瑠美さんから仕事を教わった享平さんは、もちろん瑠美さんを慕ってはいた。だが、正直言うと恋愛感情は抱いていなかったそうだ。
「おそらく彼女は誰が見ても美人だとかきれいだとか言われるタイプだとは思いますが、僕は顔なんてあればいいじゃんと思っていた。話しておもしろいか、価値観が合うか。そういうほうが大事だし、実際、学生時代から続いている恋人がいたんですよ」
仕事帰りに瑠美さんに誘われれば食事に行くこともあったが、食事が終わるとそのまま帰宅。「うちに寄っていかない?」という誘いに乗ることはなかった。
「職場で恋愛というのがピンとこなくて。恋愛関係になったら仕事がしづらくなるという単純な理由です。それというのも僕の姉が勤務先の同僚と婚約したものの、彼には別の部署にもうひとり婚約者がいたんです。もちろん、姉と彼女は知り合いだった。今は笑い話になっていますが、姉の婚約者は二重婚約していたというわけ。女性ふたりは壮絶なバトルになって、最終的には姉が婚約者を殴り飛ばして幕引きとなりました。彼と彼女は会社を辞めたそうです。その後、ふたりは結婚したけど結局、うまくいかなかったと聞いています。就職するとき、職場恋愛には気をつけろと姉から強烈に指導がありました(笑)」
先輩である瑠美さんとはうまくやりつつ、必要以上に接近しないよう気をつけていた。ところがふたりであちこち営業先を回った日の夜、つきあっている恋人から「今日、女性とふたりで歩いているのを見かけた」と連絡があった。
「先輩と一緒に営業だよと言ったら、ふたりで顔を寄せ合ったあとホテル街へ行ったでしょって。ただの通り道なのに、彼女はやけにしつこいんですよ。若気の至りですかねえ、そんなにオレが信用できないのかって言っちゃった。そうしたら彼女が『そうやってキレるから信用できないのよ』と。そのまま破局です。2年もつきあっていたのに、そんなバカなと思いましたが、あとから考えればどうやら彼女には好きな人ができていたんですね。でも自分から別れ話をしたくないから、たまたま見かけた光景で僕を責め、僕のせいで別れたことにしたんでしょう。その後、友人たちにも吹聴したようで、みんなからずいぶん非難されましたが、言い訳することさえバカバカしいと口をつぐみました。おかげで学生時代の友人とは長い間、音信不通になりました」
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