パレスチナ人の抹殺を目論むネタニヤフ首相 バイデン大統領も止められず、トランプ前大統領が急浮上 米国に追随する日本は何をすべきか
読売新聞オンラインは11月5日、「イスラエル閣僚、ガザ地区への核兵器使用『選択肢の一つだ』…ネタニヤフ首相は即座に否定」との記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。
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イスラエルのアミハイ・エリヤフ文化遺産担当相は、5日放送の民間ラジオ番組で、パレスチナ自治区ガザ地区への核兵器使用は「選択肢の一つだ」と発言した。呆れ果てる発言であることは言うまでもない。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、右派政党「リクード」の党首でもある。リクードは昨年11月の総選挙でリクードは第1党を維持。12月21日に極右・宗教政党と連立政権の樹立で合意したと発表し、29日に第6次ネタニヤフ内閣政権が正式に発足した。
核兵器使用を公言したエリヤフ文化相氏は、極右政党「ユダヤ人の力」の所属だ。その発言は大きな波紋を呼び、ネタニヤフ首相はエリヤフ氏文化相の閣議への出席を禁止すると発表。「発言内容は現実とかけ離れた考え」と火消しに躍起になった。
もっとも、ネタニヤフ政権の内部から「核」に関する発言が飛び出だしたのは、これが初めてではない。
10月30日、ニューヨーク・タイムズは「イスラエルの高官はアメリカ側との非公式会談で、第二2次世界大戦中に連合国は広島と長崎への原爆投下を含め、壊滅的な爆撃を行ったことについて言及した」と報じた。
首相が極右
米ソ東西冷戦研究の第一人者で防衛大学校名誉教授の佐瀬昌盛氏は、「ニューヨーク・タイムズが、ネタニヤフ政権内部の暴言を報じたことは注目に値します」と指摘する。
「ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストといったアメリカの高級紙は、経営にユダヤ系の資金が投じられてい入っています。少なくとも経営的な視点に立てば、イスラエルの問題発言はなるべく報じたくないというのが本音でしょう。にもかかわらず記事が堂々と配信されたということは、情報の信憑性がよほど高いのでしょう。こうなると、単に極右の閣僚が問題発言をしただけ、と受け止とめるわけにはいきません。『ガザ地区で核兵器を使っても構わない』という暴論は、ネタニヤフ政権の本音だと見ていいと思います」
日本では「ネタニヤフ氏は政権奪取獲得のため、極右政党と手を組んだ。そのため首相は右傾化している」との報道も目立つが、これは事実と異なるという。
「ネタニヤフ首相は少なくとも2000年代から、『パレスチナ国家反対』、『中東和平反対』、『ハマス攻撃強化』といった強硬な政策を主張しており、彼自身が極右と言うべき存在です。第二次大戦中、ユダヤ人はナチス・ドイツに大量虐殺されました。本来なら他民族の虐殺も絶対に許さないという姿勢になるはずなのですが、ネタニヤフ首相は今回、ガザ地区でパレスチナ人の虐殺を目論んでいます。常識的には信じられませんが、これが現実というわけです」(同・佐瀬氏)
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