内閣支持率「危険水域」で“ポスト岸田”に急浮上した「上川陽子外相」と、“麻生の子飼い”で批判される「茂木幹事長」の差

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過去最低

 発足から2年――。岸田政権の支持率低下が留まるところを知らない。時事通信社が11月11日から13日にかけて行った世論調査では、内閣支持率は先月から5ポイント下がり、21.3%。自民党が政権を取り戻した2012年以降で、過去最低となった。

 政治部デスクが言う。

「手がける政策がどれもインパクトに欠け、さらにピントもずれている。苦肉の策で打ち出した所得税・住民税の期間限定の定額減税も、全く響かないどころか、“いずれ増税が決まっているのに意味がない”“まさに今、物価高で困っているのにそれがわかっていないのか”“国民のこと考えるなら消費税減税でしょう”といった反発の声が上がり、支持率低下に拍車をかけています。さらに、副大臣、政務官らのスキャンダルが相次いで発覚。政権運営も不安定になってきている。自民党議員も“地元の後援者から岸田批判をされる”“今の政権のまま選挙になったら勝てる自信がない”と嘆いていますよ」

 となると、当然のように永田町では、“ポスト岸田”の話が囁かれ始めた。

「高市早苗氏が早速勉強会を立ち上げ、次の総裁選に向けて準備をしていますし、茂木幹事長も出馬には意欲的。なのですが、高市氏は激しい物言いや、極端すぎる政策に党内にも嫌う人が多く、さらに茂木幹事長は、現・岸田政権を支えているわけですから、変わり映えしない。じゃあ一体誰ならいいのか、という話の中で浮かび上がってきたのが、上川陽子氏なのです」

女性初の総理を

 上川氏といえば、過去に計3回も法務大臣を務め、先の内閣改造で外務大臣にも抜擢された人物である。党内きっての実務派として評価は高い。東大卒で当選回数も7回と、重鎮クラスではある。が、その一方で、目立った動きもなく、高市氏や野田聖子氏などと比べても、失礼ながら地味な存在だ。一体なぜ、上川氏の名前が挙がっているのか。その理由を自民党幹部が言う。

「まず一番は、女性初の総理をここで誕生させ、支持率浮揚のきっかけにしたいということ。でも、小渕優子氏や野田聖子氏はあまりにも国民の人気がなく、過去のスキャンダルが蒸し返されるだけで逆効果になってしまう。そんな中、実務派の上川さんにはそうした負のイメージはない。むしろ、法務大臣時代には、麻原彰晃らオウム真理教の幹部13人の死刑執行を決断した胆力もある。ドイツのメルケルさんのようなタイプの、質実剛健な総理になるのではないかと考えられているのです」

 とはいえ、上川氏は総裁選にこれまで出馬したこともなく、知名度は低いまま。いくら重鎮が推しているとはいえ、仮に彼女が立ち上がった場合、推薦人は集まるのか。そして、他派閥は彼女を応援するのだろうか。

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