品川ヒロシ、米国で新たに“製作費15億円映画”の監督に 「僕も『大腸』と書かれたビニール袋を山ほど搬入したい」
日本の無名監督が米国で勝負するなら
品川は現在51歳。「50歳までに米国でインディーズのホラー映画を撮ると、10年前から目標にしていた」という。
「『13日の金曜日』『エルム街の悪夢』『死霊のはらわた』などの作品は、もともと低予算のインディーズ映画。僕みたいな日本の無名監督が米国で勝負するなら、もともとホラー好きですし、インディーズのホラー映画から入るのが一番だと思います」
今回の米国滞在でハリウッドの制作過程がわかったことは「大きな収穫」だったという。また、小道具の充実ぶりにも目を見張るものがあった。
「ホラー映画で脳みそが飛び散るシーンを撮る時、日本ではちぎった雑誌などを血糊に浸して投げるんですが、米国では専用の素材で作られたものがビニール袋に入って送られてきます。しかも、大腸、小腸、脳みそと細かく分かれている。いいなぁ米国(笑)。僕も『大腸』と書かれたビニール袋を山ほど搬入したいですね」
米国ではスタッフとのコミュニケーションにもちろん英語を使う。
「仕事の話ができるレベルではありませんが、お酒の席では相手の言っていることがわかるくらいにはなりました。単語を口にすればなんとか会話できるし、映画作品という共通の話題もある。それでなんとかコミュニケーションを取っています」
あくまでも前向きな品川に、次なるチャンスが訪れているようだ。
「実は米国滞在中に、製作費15億円以上の中規模作品の脚本をいただいたんです。しかも、脚本は僕が書き直していいことになっています。『OUT』のプロモーションが終わったら、集中して取り組む予定です」
製作費15億円は日本のメジャー作品を大きく上回っているが、米国では中規模。日本とは全く異なる米国で品川が経験する映画制作は、今後の日本映画界にどのような刺激をもたらしてくれるだろうか。