秋ドラマ・視聴率ワースト5 篠原涼子「ハイエナ」はなぜ大苦戦しているのか
評判高い「大奥」も視聴率は惨敗中
ワースト3位はNHK「ドラマ10 大奥 Season2」(火曜午後10時)で、個人1.8%、コア0.6%(世帯3.4%)。男女が逆転した江戸時代を舞台に美しい人間と醜い人間を映し出している。
質は秋ドラマで1、2を争い、おそらく今年1月~3月まで放送された「大奥 Season1」より上だろう。ところが、数字は低い。前作より個人もコアも数字を1%ほど落としている。
前作は徳川家光(堀田真由)や綱吉(仲里依紗・34)の純愛に時間が割かれた。今作は青沼(村雨辰剛・35)や平賀源内(鈴木杏・36)らによる感染症「赤面疱瘡」の戦いや一橋治済(仲間由紀恵・44)や松平定信(安達祐実・42)の権力闘争が中心。内容が重いからか。
放送枠の力も極端なまでに弱い。「ドラマ10」の前作で桜井ユキ(36)が主演した「満点のゴール」の9月26日放送分も個人1.7%、コア0.7%(世帯3.3%)しかなかった。評判高かった「正直不動産」の昨年4月19日放送分ですら個人2.8%、コア1.5%(世帯6.1%)である。認知度アップが急務だろう。
競合ドラマに敗れた「パリビ孔明」
ワースト4位はフジ「パリビ孔明」(水曜午後10時)で個人2.1%、コア1.6%(世帯3.8%)。中国の三国時代の天才軍師・諸葛孔明(向井修・41)が現代の東京・渋谷に転生し、シンガーソングライター・月見英子(上白石萌歌・23)の歌声に魅了される。そこで彼女のマネージメントを買って出て、成功に導く。
これ以上なく荒唐無稽な設定なのだが、音楽業界の実態などがリアルに描かれているから、説得力がある。笑えるドラマだ。
それでも低視聴率。理由は明解である。裏に日テレの「コタツのない家」があるからだ。こちらの同じ8日の視聴率は個人3.5%、コア2.4%(世帯6.0%)。この時間帯のPUT(総個人視聴率=個人全体視聴率の合算)は20%程度しかないから、どうしても食い合う。
フジが水曜午後10時をドラマ枠とし、日テレと正面衝突するようになったのは昨年の春ドラマから。視聴率面だけ見ると、今年の夏ドラマまでは日テレの4勝1敗1分け。とりわけライバル意識が強い両局だが、そろそろどちらかが枠移動を考えてもいいのではないか。
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