【松田優作の生き方】強さの中に「憂い」を秘め、心のどこかに虚無を宿して…俳優というより役者というほうがふさわしい理由
ドラマ「太陽にほえろ!」のジーパン刑事の殉職シーン。映画「暴力教室」に「遊戯」シリーズ、「蘇える金狼」などのアクション路線もあれば、ドラマ「探偵物語」や映画「家族ゲーム」での新境地開拓。そして晩年の映画「それから」やハリウッド映画「ブラック・レイン」……。世代によって、あるいは最初に見た作品が何かによって、この人を語るときは誰もがアツくなるはずです。俳優・松田優作(1950~1989)。若くして壮烈な死を遂げた稀代の名優の人生はいかなるものだったのか。朝日新聞編集委員・小泉信一さんが、様々なジャンルで活躍した人たちの人生の幕引きを前に抱いた諦念、無常観を探る連載「メメント・モリな人たち」。...