ホラン千秋 17歳で「魔法戦隊マジレンジャー」に出演してからは苦労の連続…一茂&出川を相手に見せる彼女の“凄さ”とは
演技の仕事にこだわるのをやめて大成功
「何かを伝える」仕事であれば情熱を持って取り組めるかもしれないと、帰国後は演技の仕事にこだわるのをやめた。2011年から異なるジャンルのオーディションを受け始め、5分間の経済情報番組「ビジネス・クリック」(TBS)の月曜ナビゲーターと、情報バラエティ番組「ULALA ナナパチ」(TOKYO MXテレビ)のMCの座を射止めた。
2012年4月には報道番組「NEWS ZERO」(日本テレビ、現在は小文字表記)のサブキャスター(月~木曜)に抜擢され、快進撃が始まる。ニュースキャスター以外にもMCやタレント、モデル、ラジオパーソナリティと多方面で大活躍を続け、2017年4月からは報道・情報番組「Nスタ」(TBS)のキャスターに就任。現在まで「TBSの夕方の顔」として君臨している。
そんな彼女の凄さは、なんといっても高いコミュニケーション能力だ。キャスターとしては、共演者との何気ないやり取りが抜群で、中継先のリポーターなど“伝えている人”の人間性を視聴者に届けようとする。「この人はどういう気持ちで伝えているのか」といった“生身の部分”を伝えるような会話をしているのだ。それにより、ニュースがよりふくらんでリアリティを生むという効果がある。
バラエティでは、ガツガツと前に出る番組と引くべき番組をしっかり把握している。進行役のときはゲストの個性を生かすパスを出し、シュートを決めるべき人に決めてもらっている印象がある。自己主張が強いイメージがあるが、場を弁える人なのだ。
番組開始からわずか1年でゴールデン進出
すべての仕事で共通しているのは、それぞれの仕事で自分の「やるべきこと」と「やれること」を細かい部分まで行っている点に他ならない。
この秋からゴールデンに進出した「出川一茂ホラン☆フシギの会」(テレビ朝日、火曜午後7時)を観れば、その凄さは一目瞭然だ。ホランは自由奔放な言動でおなじみの出川哲朗と長嶋一茂への突っ込みや、その返しのスピードが尋常ではないほど速く、しかも的確である。また、自分の失言やミスには自分で突っ込みを入れている。
視聴者から「出川さんと一茂さんは芸能界の大先輩なのに、ホラン千秋タメ口でうざいわ」という意見が寄せられた際は、「タメ口じゃないとやっていけないぐらい本当にポンコツなの! この2人は!!」と毒を吐いたことがある。だが、彼女と2人のスピーディなやり取りこそ番組の見どころであり、番組開始からわずか1年でゴールデン進出を果たした理由だろう。
現在のホランが多忙なスケジュールをこなし続ける原動力は、長い苦労があったからに違いない。自分が求める場所ではなくとも、与えてもらえる場所で、全力で輝く。彼女を求める人がいる限り、快進撃は続くだろう。