男役トップが後輩に浴びせた強烈な罵声 宝塚の「凄絶イジメ」「恐怖支配」の実態とは

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「一方的に“事実無根”と発表され…」

 これに先立つ今月10日、都内で初めて会見を行った弁護団は、その場で「遺族の訴え」を以下のように代読している。

〈劇団は、娘が何度も何度も真実を訴え、助けを求めたにもかかわらず、それを無視し捏造隠蔽(いんぺい)を繰り返しました〉

 社会部デスクが言う。

「会見では、長時間労働問題に加えて週刊文春が過去に報じた上級生による“いじめ”が“パワハラ”に当たると告発されました」

 その一つが、先輩娘役のM(27)による“ヘアアイロン事件”だ。Mが「舞台での前髪の作り方を教えてあげる」と言い、高温のヘアアイロンをAさんの額に押し当ててやけどを負わせたとされているのだが、

「今年1月末の報道後、劇団は当事者双方に聞き取りを行った結果、ヘアアイロンが額に触れたのは過失だったと断定。故意に押し付けたとの話は“事実無根”と主張してきました。ですが、弁護団は宙組のプロデューサーによる聞き取りの際、Aさんが被害を訴えていたと明かしました」(同)

 彼女は、事実をねじ曲げたり上級生から詰問され、

「挙句、劇団からも一方的に“事実無根”と発表されたことで、精神的な負荷を感じていたというのです」

“マインドが足りない”“うそつき野郎”

 そんな彼女をさらに追い詰めたのが、複数の上級生からの暴言だった。

「ある先輩は“マインドが足りない。マインドはないのか”と叱責。さらに別の先輩も“うそつき野郎”などと罵声を浴びせていたとされます。そうした言動について、弁護団は厚労省告示における“パワハラ”に該当すると指摘しました」

 しかし“パワハラ”の主犯格だと最も周囲から目されているのは、男役のSである。彼女の宙組内での振る舞いは目に余るものがあったと打ち明けるのは宝塚歌劇団の関係者だ。

「以前、ある男役トップが後輩に“デブ”“下膨れ顔”と罵声を浴びせていじめていたと報じられたことがありましたよね。その男役トップに対してすら、Sは楽屋で“いい加減、辞めろや”などと悪態をつける立場だった」

 Sの“恐怖支配”について、さる現役団員の保護者も声を潜めて言う。

「Sさんは日常的に下級生に対して高圧的なもの言いで指示を出し、さらに“うそつき”などと暴言を吐くとも聞いています。普段から“パワハラ”と受け取られるような言動をしていたのは間違いありません」

 後編では、過労死ラインを超えるほどの重労働にもかかわらず、「手取りが12万円のこともある」という宝塚のブラック過ぎる内情について、現役団員の保護者らが告発する。

週刊新潮 2023年11月23日号掲載

特集「“イジメ自殺”否定で幕引き強行 絢爛『宝塚』実は『超ブラック』のワルたち」より

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