芸能界は歓迎と反発、カギを握るのは資本構成…ジャニ新会社は福田淳氏の社長就任でどうなるか

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福田氏は「芸能界の急進改革派」だが

 福田氏は自分の会社であるスピーディがエージェントを務める、のん(30)のCMを次々と獲得した。のんは2016年まで所属した芸能事務所「レプロエンタテインメント」を離れた後の一時期、ほとんど仕事がなかったが、今やCM界の売れっ子だ。

 福田氏の登場で旧ジャニーズ勢もCMをまた獲得できるという期待の声もある。しかし、それは難しい。のんとは事情がまるで違うからだ。のんは社会的に非難される問題とは無縁だった。一方、旧ジャニーズ勢はジャニー喜多川氏(2019年、87歳で他界)による性加害によって企業側からNOを突き付けられた。性加害の事実はいくら敏腕の福田氏であろうが覆せない。

 福田氏と仕事上の付き合いのある映像制作会社幹部は「福田氏はとても仕事が出来る人」と太鼓判を押す。クリエイティビティも先を読むもあるという。リーダーシップも持っているというが、不安な点もあるようだ。

「福田氏は芸能界の急進改革派。自分が間違っていると思う習慣などを遠慮会釈なしに批判し、一気にあらためようとする。しかし、芸能界には違う考え方もたくさんある。旧習が全て悪いとも限らない。だからアンチも存在する。テレビ番組も映画もほかの芸能事務所やタレントと共同でつくり上げるものなので、その点が心配」(映像制作会社)

 事実、福田氏の社長就任については芸能界内で歓迎と反発の声が入り交じっている。

新会社のポイントは出資構成

 福田氏が新会社の社員たちをまとめられるかどうかという問題もある。リーダーシップに定評のある福田氏だが、大半は旧ジャニーズ事務所の社員。リーダーシップだけで指揮を執るのは難しい。

「ポイントはまだ明かされていない資本構成。主な出資者が新会社の実権を握る。福田氏が出資者の支持が得られたら社内的立場は安泰だが、出資者の支持がないと足元は弱くなる」(前出・大手芸能事務所幹部)

 新会社に必要な資本金と運営費は、最低でも計10億円以上と目されている。それを誰が出すのか。出資者候補と見られているのは以下の3つ。(1)福田氏と付き合いのあるファンドや組織 (2)ソニー・ミュージックエンタテインメントと良好な関係のファンドや組織 (3)ジュリー氏と関係するファンドや組織である。

 福田氏と近いファンドなどが新会社の将来性を期待し、出資する可能性は高い。それなら、福田氏はやりやすい。また、竹中氏も福田氏もソニー・ミュージックと関係するので、同社と友好関係にある組織が出資する公算もある。これも福田氏には好都合。ソニー・ミュージック自身が出資すると、同社の子会社と化してしまい音楽業界の反発も見込まれるので、これは可能性が低い。

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