芸能界は歓迎と反発、カギを握るのは資本構成…ジャニ新会社は福田淳氏の社長就任でどうなるか

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 ソニーグループ出身でコンサルタント会社「スピーディ」社長の福田淳氏(58)が、旧ジャニーズ事務所が設立するエージェント会社(以下、新会社)の社長に間もなく就任する。米国式エージェント業務に精通した福田氏が舵を取ることから「これで新会社は大丈夫」と見る向きもあるが、一方でテレビ界と芸能界の中からは不安視する声も聞こえてくる。新会社の現状を探り、行方を占う。

なぜ、エージェント制なのか

 そもそもどうして、旧ジャニーズ事務所は新会社をエージェント制にするのか? 芸能界内では、前社長・藤島ジュリー景子氏(57)の発案ではないという声をよく耳にする。母の故・メリー喜多川元会長(2021年に93歳で他界)による会社運営をほぼ踏襲してきたのだから、確かにそうだろう。

「エージェント制をジュリー氏に進言したのは社長候補の1人だった竹中幸平氏。ソニー・ミュージックエンタテインメントのシニアアドバイザーで、7月に旧ジャニーズ事務所の顧問に就任した。米国の芸能事務所の事情に通じている人」(大手芸能事務所幹部)

 エージェント制になったら、俳優として力のあるタレントが独立の道を選ぶことは目に見えていた。エージェント制を敷く会社の役割は仕事の獲得に限定されるが、それを代行してくれるフリーのエキスパートたちが存在しており、いっそ独立して旧ジャニーズ事務所の負のイメージを払拭したほうが得策という考え方が成り立つからだ。

 事実、岡田准一(42)、二宮和也(40)、生田斗真(39)は独立する。芸能界で切れ者として知られる竹中氏がこれを予測できなかったはずがないという。

「竹中氏はソニー・ミュージックエンタテインメントの元執行役員。竹中氏は旧ジャニーズ勢内の音楽部門を守れたらいいと考えたのではないか」(同・大手芸能事務所幹部)

 ソニー・デジタルエンタテインメント・サービスの社長だった福田淳氏をジュリー氏に推薦したのも竹中氏だという。

「ジュリー氏からの相談を受けた竹中氏が、自分と同じくエージェント制に精通した福田氏を推した」(同・大手芸能事務所幹部)

 福田氏は社長就任を前にした9日、旧ジャニーズ事務所の社員たちに行った挨拶のスピーチで、「今まで見たことがないくらいの大逆転を皆さんとやりきりたい」と宣言した。一方でファン側にはどんなプラス面があるのだろう。

SMAPの再結成は「希望的観測」

 まず木村拓哉(50)の立場が変わり、SMAPの再結成が近づいたという読みもあるようだが、それについて芸能界内では「希望的観測」(同・大手芸能事務所幹部)という見方が強い。木村と距離を置いてきた稲垣吾郎(49)、草なぎ剛(49)、香取慎吾(46)にとって、イメージが失墜した旧ジャニーズ事務所に近づくメリットがないからだ。

 稲垣ら3人は性加害問題と同事務所の崩壊についてコメントすらしていない。関わりたくない心境の表れだろう。また、それぞれのSMAP再結成に対する意向もある。さらに3人の所属するCULEN社長である飯島三智氏(65)の考えも不明だ。

「SMAPを育て、旧ジャニーズ事務所を退所した稲垣ら3人を活躍させてきた飯島氏が、自分が主導しない再結成にゴーサインを出すはずがない」(SMAPが所属していたビクターレコード元社員)

 木村に限ると、再結成どころではないという声もある。

「俳優に軸足を置いているところが同じだった後輩の岡田氏、二宮氏、生田氏が独立を選んだ。木村氏は早々と新会社に移ることを表明したが、心穏やかであるはずがない。ポイントはCM。岡田氏と二宮氏はCMを打ち切られたが、独立によって回復したら、木村氏も独立に気持ちが傾くのではないか。木村氏にとっても、日産やマクドナルドなどのCMを失ったのは痛手に違いないのだから」(前出・大手芸能事務所幹部)

 日本のテレビ界のギャランティは海外と比べて安いため、CMの有無は死活問題なのである。

次ページ:福田氏は「芸能界の急進改革派」だが

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。