まさかこれほど多いとは…エホバの証人で多数の二世信者が性被害に、「抑圧が逆に性加害を誘発している」との指摘も

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信者の孤立感

 性暴力の被害を訴えた37人のうち、加害者が役職者だったと回答したのは19人。ということは、18人は役職者ではなかったことになる。

「アンケート調査によると、被害者の多くは2世信者です。成年に達した男女が自分の意思でエホバの証人に入信し、その結果、性的被害を受けたわけではありません。生まれた時点で親が信者だったため、彼らは否応なしにエホバの証人と関係を持たざるを得ませんでした。おまけに、大半の被害者はまだ判断力に乏しい未成年です。エホバの証人では、『教える人』という強者が子供という最も弱い者を狙い撃ちにするケースが多いと言わざるを得ません」(同・藤倉氏)

 さらに注目すべきは、これまで被害が隠蔽されていたことだ。JW児童虐待被害アーカイブが積極的な調査を行ったことで、事態が公になった。

「一般企業でセクハラを行った社員が、『自分の行為は会社の理念と合致している』と強弁しても通用するはずはありません。ところが、宗教団体の場合、無理やり教義に結びつけて自己弁護を行うことも可能です。『神の言葉に逆らうのか』と被害者を脅し、沈黙を強いることもできます。エホバの証人でも、被害者の方々が警察や弁護士に相談したりNPOに救いを求めたりすることはできませんでした。ここに信者の孤立感の深さが浮かび上がります」(同・藤倉氏)

社会との隔絶

 エホバの証人では、信者が一般企業に勤めていたり、2世信者が普通の公立学校に通ったりと、非信者と同じような生活を送っていることも珍しくない。

 だが、社会で自由に行動することは、教義などによって許されていない。その点において、信者は社会と隔絶している側面がある。

「今回の調査結果で、エホバの証人の信者が社会と隔絶した生き方を強いられていることが改めて浮き彫りになりました。社会と隔絶していたからこそ、長年の間、性加害の実態が明らかにならなかったのです。その結果、被害者のケアも放置されてしまいました」(同・藤倉氏)

 朝日新聞の記事によると、被害について通報や相談をしたかという設問に対し、「誰にもしなかった」が最多で21件に達した。勇気を出して相談しても「2人以上の目撃者が必要」と言われたこともあったという。

デイリー新潮編集部

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