金融庁処分で「ビッグモーター」社内に激震が走った本当の理由 関係者が明かした「保険マージン」という強欲“ウラ歩合”

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不正請求の背景にあった「保険マージン」

 同社関係者が内情をこう明かす。

「ビッグモーターでは営業職を中心に実績に応じたマージン(歩合)制度があることは広く知られていますが、実はそのなかに『保険マージン』なるものも存在します。社員が自賠責や自動車任意保険を取ってくると、その社員に毎月、保険料の一定割合が還元されるという仕組み。保険の不正請求が横行した背景に、この保険マージンというインセンティブの影響を指摘する声は社内でも少なくありません」

 契約内容などによって変わってくるため一概には言えないが、自賠責や任意保険の契約を取ってきたとしても、毎月の保険料は大した額にはならない。それでも――

「一人の契約者から入るマージンは少なくても、抱える契約者が多ければ、その総額はバカになりません。実際、数十人の顧客を抱えるベテラン営業マンのなかには保険マージンだけで毎月20万円以上もらっていた人物もいるなど、勤続年数の長い社員ほどマージン収入が大きくなる傾向にあった。そのため30代以上の営業マンのなかには保険マージンを最初からカウントして生活設計を立てている者も多くいました」(同)

 かつては毎月1回、事務員が社内で「レジ出庫」と呼ばれる手順を踏み、現金で保険マージンを各社員に手渡していた店舗もあったという。そして「そのまま万札を握りしめて夜の街へと繰り出す」(同)のが恒例だった時代もあるとか。

 しかし保険の代理店契約が取り消されれば、このマージン自体も“消滅”しかねず、早速、ベテランの営業職を中心に「これじゃ会社が存続しても、生活レベルを落とさなきゃいけなくなる。ふざけるな」と不満の声が上がり始めているという。

「回答は差し控える」

 一方で、そんな怒りに震える彼らも「これまで年収1000万円以上もらっていた者が大半で、オイシイ思いも散々してきた」面々という。それをいまさら、自業自得の処分に対し、「俺の生活をどうしてくれる?」と不平を漏らすのは“身勝手”としか映らないだろう。

 ビッグモーターに金融庁の処分方針に対する見解を訊くと、

「金融庁、関東財務局の指示に従い、適切に対応してまいります」(広報担当)

 と回答。「保険マージン」に関する詳細も訊ねたが、

「従来よりマージンの支給額等、詳細については開示しておりませんので、回答を差し控えさせていただきます」(同)

 とした。スポンサー探しも難航を極め、再建に“黄信号”の灯り始めたビッグモーター。5000名を超える社員たちの未来も不透明さを増しつつある。

デイリー新潮編集部

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