バイアグラ模造品や窃盗で連続逮捕 捜査当局が狙う3代目弘道会傘下「野内組」
飲食店前で騒ぐ
10月30日、6代目山口組の3次団体にあたる兼勝会(本部・秋田県秋田市)のトップらが威力業務妨害の容疑で秋田県警に逮捕された。相前後して同じく3次団体の野内組幹部が労働基準法違反などの容疑で岐阜県警に逮捕された。兼勝会は2年前まで野内組傘下組織として活動してきたことで知られており、捜査当局の野内組への警戒度が際立った格好だ。
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「兼勝会の逮捕容疑は、1年ほど前、兼勝会の島田潔希会長と新山和幸若頭らが秋田市内の飲食店の前に居座ったり、怒鳴ったりしたという威力業務妨害です。入店を拒否されたことに腹を立てたということで、店側から被害届が出されていた模様です」
と、担当記者。
現在の兼勝会は元々、2代目兼昭会と名乗り、神戸山口組直参の5代目山健組傘下組織だった。2020年7月に5代目山健組が神戸側を脱退した際、これに従わず、神戸側に留まった。が、翌21年8月に神戸側を脱退して3代目弘道会の野内組へ移籍。島田会長は相談役の立場で迎えられたのだった。
1年以内に何度も逮捕
2代目兼昭会は同じタイミングで神戸側を抜けた5代目伊藤会(本部:青森県十和田市)と合併し、組織名を現在の兼勝会に改めた。元々、神戸側にいた旧山健組傘下の「東北組」を統合した格好で、21年10月に3代目弘道会直参へと昇格している。
一方、野内組の方は、10月11日、労働基準法違反(中間搾取)と職業安定法違反の疑いで浅野宏隆若頭補佐が岐阜県警組織犯罪対策課などに逮捕されている。
「逮捕容疑は2年半ほど前、厚労相の許可を受けることなく、求人の申し込みを受けた会社に求職者を紹介し、求職者から謝礼を受け取っていたというものです。有料で職業紹介を行うなら管轄の大臣の認可が必要なのですが、それを怠ったということですね」(同)
浅野若頭補佐をめぐってはここ1年に限っても逮捕事案が相次いでいる。
「組織を抜けようとして行方をくらました男の内妻の家に押しかけ、約6万円相当の男の衣服などを盗んだ窃盗容疑や、岐阜市内のガールズバーで許可なしにバイアグラの成分を含んだ模造品を貯蔵したとされる医薬品医療機器法違反容疑で逮捕されています」(同)
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