逮捕された「私人逮捕系YouTuber」のファンだった30代女性の後悔 「一緒に張り込みもしましたが、最後は私自身が晒されて生活を壊されました」
自殺未遂
「コロアキらとの活動は周囲に隠してやっていたのですが、バレてしまった。仕事の関係先から『あんな人間と付き合っている人とは仕事はできない』と毎日のように夜中までクレームの電話がかかってくるように。やっと掴んだ大きな仕事もキャンセルになってしまいました」
杉田容疑者には動画を下げてほしいと訴え続けたが、ブロックされて全く聞き入れてもらえなかった。
「自分のファンだからいいだろうという軽いノリなんです。暴走機関車のような人だから一度走り出したら止められない。結局、2本も同様の動画を上げられてしまいました」
初めて自分が晒される側に立って感じた恐怖は凄まじかった。このまま自分は社会的な信用を失い、二度と回復できないのかもしれない……。気づいたら、病院で処方されていた睡眠薬を酒と一緒に大量に摂取して風呂場で倒れていた。たまたま部屋を訪ねてきた母親が発見してくれたため一命を取り留めることができたが、入院後4日間も昏睡が続き入院したほど危険な状態だったという。
「目が覚めたら、母が泣き叫びながらビンタしてきました。私もそこでようやく冷静になって、自分のした愚かな行為を悔いたのです」
「私人逮捕系YouTuber全てが悪いわけではない」
その後、家族の支えもあって、A子さんの心身は快復。仕事も少しずつ再開し、元の生活を取り戻しつつある。今回の杉田容疑者の逮捕を受け、
「あんな人間を支援し、調子づかせてしまった自分を、今は恥じています。晒されてしまったのも自業自得。彼のような破天荒な男に興味を持った理由には、社会への不満・鬱屈が溜まっていたこともあったと思う。型破りなやり方で突撃する彼を、ヒーローのように誤認してしまった自分がいた」
だが、そう振り返りながらも、「全ての私人逮捕系YouTuberが同列視して語られるべきではない」と語る。
「コロアキ以外にも数人の私人逮捕系YouTuberに会いましたが、ビジネス詐欺をやっているセミナーを徹底的に潰したり、執念で痴漢を捕まえたり、彼らなりの社会正義を貫いていると感じさせる人はちゃんといました。もちろん、世間の大半が彼らに対して『警察がやるべきことであり、社会秩序を乱している』と否定的な意見を持っていることは知っています。ただ、本気で痴漢を退治し、陰で警察から感謝されているような活動家がいるのは事実。仮にそれが再生回数稼ぎのビジネス目的であったとしても、社会貢献の一つして認められていいと思う」
自殺騒動を起こした数日後、もう二度とSNSなど見たくないと、Xのアカウントを削除した。だが、2日後には、「急に居なくなったが、どうしたんだろう?」と心配するフォロワーの投稿を目にして再開した。
「戻ると数人のフォロワーが『消えることないじゃん』って励ましてくれて、心が休まりました。SNS上だけの会わない関係でも、イラストや告白している持病のことで大事にしていきたい繋がりがあります。今後はルールを守りながら、SNSとは上手に付き合っていきたいです」