家の前で待ち伏せし妻にいきなり土下座、実母にありえない言動を…46歳夫が振り返る「病んだ不倫相手」「冷静だった妻」
突然、歌織さん夫妻がそろって訪問
それでもなんとか逢瀬を続けていたが、2年後に歌織さんの夫の淳也さんが東京に戻ってきてから事情が変わった。淳也さんは政宏さんと歌織さんより4年先輩。母親に単身赴任中のことを聞かされたのか、歌織さんに疑いの目を向けるようになった。
「歌織は淳也さんに何を聞かれても知らないとシラを切り通した。ただ、あるとき夫から証拠をつかんだと言われたそうです。彼女が知らないうちに携帯にアプリを入れられて、僕らがホテルにいるのがバレてしまったらしいんです。でも僕は、ふたりが家に来るまではそのことを知りませんでした」
淳也さんと歌織さんが土曜日の昼間、突然、自宅にやってきた。娘はたまたま政宏さんの母と遊びに行っていたので、家には夫婦ふたりだけだった。玄関チャイムが鳴って政宏さんが出ると、淳也さんと歌織さんが立っていた。バレたと直感した。
「こういう状況で妻に知らせるのはあまりにも気の毒だと思ったので、玄関に待たせたまま、2階にいた妻のところへ行き、びっくりすると思うけどと手早く概要を知らせました。妻は目を見開いたまま固まっていた。とにかく下に来てほしいと一緒に降りていきました」
突然、態度を変えた淳也さん
ふたりをリビングに招き入れた。「お茶」と立とうとした真希さんを、「いえ、けっこう」と淳也さんが止めた。
「わかってますよねと淳也さんが口火を切ると、真希が『わかりません。うちの人が何かしたんでしょうか』と。淳也さんは『コイツとあなたのご主人が不倫してたんですよ』と単刀直入に言いました。『奥さんに、コイツって言うのひどいですね』と真希。どこかズレているんですが、この一言は淳也さんには効果があったようです。『ふたりの不倫を奥さんは認めるというわけですか』と切り込んできました。『認めないけど、ふたりに話を聞いてみる必要はあるんじゃないでしょうか』と真希は言った。このとき、僕は妻に驚いていました。あたふたするかと思いきや、非常に堂々としていて。歌織は、後輩でもある真希の態度に勇気を得たのか、夫から少し離れて座り直したんです」
すると突然、淳也さんが泣き崩れた。居丈高になっていたのは小心を隠すためだったのだろう。泣きながら政宏さんに「歌織を返してください」とすがりついてきた。歌織さんはうんざりしたような表情で夫を見つめている。
「話はわかりましたから、今日のところはお帰りください。それと淳也さん、歌織さんに暴力をふるったりしないでくださいね。話し合いましょう、みんなで」
真希さんは見事にそう仕切ると、夫婦を帰した。そして「さて」と政宏さんに向き合った。
「悪かったと僕はまず謝りました。真希を傷つける気はまったくなかった。だけど同期の歌織とそういうことになってしまい、恋に浮かれて飲み込まれてしまったと正直に話したんです」
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