人生折り返し地点で、同僚の女性と「社内W不倫」…46歳男性が語る、修羅場と泥沼のてん末「あの時、どうしてすっきり片づけられなかったのか」
学生時代以来の恋
妻の真希さんにも感じたことのない気持ちだった。真希さんに対しては、もちろん惹かれたが「結婚」を念頭に置いていたため、うまくやっていけるかどうかを優先的に考えていたのだ。真希さんも「あなたとなら、話し合いながら家庭を作っていけると思う」と彼のプロポーズを受け入れた。ふたりとも情熱的な恋ではなく、一緒に歩んでいける相手を選んだのだろう。
「だから恋といえば学生時代以来ですね。僕は学内でも高嶺の花といわれていた女性にアプローチして拒絶されて……を5回も繰り返したんです。周りもみんな知っていた。どうしても彼女が好きで諦めきれなかった。6回目に彼女に『うん』と言わせたんですよ。つきあってみたら半年でフラれましたが(笑)」
あの恋は一途だったと彼は笑いながら振り返った。彼女のことを思うといても立ってもいられなくなる。やっとつきあえるようになってからも不安は尽きなかったし、それでも彼女に会えば天にも昇る心地がした。フラれたときは絶望して「死んでやる」とつぶやいたが、脳裏に妹が浮かび、すぐに撤回。友人たちが居酒屋に集まって励ます会を開いてくれた。
「典型的な若者のおバカな恋だから、友人たちの間ではいまだに語り草になっています。自分だけの気持ちで突っ走るとろくなことにならないと、あのとき学びました。だから結婚するときは恋愛感情より、ふたりで話し合えるかどうかを優先した。真希はそういう意味では完璧でした。僕より論理的ですし、それでいて温かいものをもっている」
それなのに歌織さんと再会した彼は、妻を裏切ろうとしていた。激しい感情をコントロールできなくなっていったのだ。
後編【家の前で待ち伏せし妻にいきなり土下座、実母にありえない言動を…46歳夫が振り返る「病んだ不倫相手」「冷静だった妻」】へつづく
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