フジテレビは旧ジャニーズタレントを“リピート起用” 囁かれる“真の狙い”とは

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“再生200万超え”がヒットの基準?

 この時期の社長会見といえば、10月改編期の新番組の数字=視聴率が話題になるところだが、大多専務は、意外な点に言及した。

「大多専務は、10月期放送の新ドラマはTVerで好評であり、4枠のドラマのうち、3枠が200万回超えの再生回数がある。これはいい傾向で、視聴率にも返ってくればいいと発言したのです」(フジテレビ関係者)

 実際、会見で大多専務がこう切り出したという。

大多専務 今季のドラマはいずれもTVerの広告配信が好調です。確定値で「ONE DAY」が2話までで平均226万再生、「パリピ孔明」が4話までで166万、木10の「いちばんすきな花」が1話だけですが332万、「うちの弁護士は手がかかる」が202万になっております。配信では200万を超えるとヒットという認識だと思っておりまして、とてもいい数字じゃないかと思っておりますし、この数字が視聴率に返って来てくれればという期待も高まります。

記者 GP(ゴールデン・プライム)帯(午後7時から11時)では成功の目安が200万ということでよろしいんですよね?

大多専務 200万再生超える番組ってあまりないんで、200万を超えるのはいい数字だと思っています。

「200万回超え」をヒットとする、ということに確固たる根拠はないようだが、各ドラマの平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)はどうか。月9の「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」は6日放送の第5話がこれまでで最低の4.8%、「パリピ孔明」(水曜午後10時)が10月25日の第5話でワーストの3.8%を記録。「いちばんすきな花」(木曜午後10時)は10月26日の第3話がワーストの4.5%とGP帯にしては惨敗。「うちの弁護士は手がかかる」(金曜午後9時)が第4話までに6%台後半から7%台前半をキープし、孤軍奮闘と言える。

 では、会見で言及されたTVerとは何か。在京民放キー局5社(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)と、在阪民放5社(MBS毎日放送、朝日放送テレビ、関西テレビ、読売テレビ、テレビ大阪)、広告代理店4社(電通、博報堂DYMP、ADK、東急エージェンシー)が共同出資した、株式会社TVer(旧・株式会社プレゼントキャスト)が運営する、無料の動画配信サービスである。

 2015年10月からサービスをスタートさせ、当初は見逃し配信だったが、その後、ライブ配信もスタートさせた。昨年4月には在京民放キー局の番組のリアルタイム配信もスタート。今年4月24日にはアプリのダウンロード数が累計6000万を達成したことを公表した。

「特徴は、CMをスキップせずに視聴しなければならないこと。そのため、広告出稿した企業にとっては確実にCMを視聴してもらえる。それもあって、テレビ番組に出稿していない企業や商品のCMも目立ちます。ちなみに、リアルタイム配信の場合は、CM中は静止画になっています。アプリさえダウンロードすれば、スマホでもパソコンでも、つまりどこにいても見逃し、リアルとも見られるので、それが番組の平均世帯視聴率などを低下させる要因になっているのは明らか。大多専務がTVerで好調なドラマを引き合いに、『視聴率にも返ってくればいい』と話しましたが、そもそもTVerの視聴者はテレビを見ない若い世代が多いので、TVer視聴回数と視聴率の両方が伸びるはずはないんですけどね」(前出・関係者)

 しかし、社長会見で明言した通り、フジでは視聴率よりも、TVerの視聴回数が重視されているようだが、そのことは旧ジャニーズ勢の起用と大きく関係していると言われている。

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