「国民をバカにしている」で解散見送りの岸田首相は「もう詰んだ」の声 「想定外の大義」があるとの観測も

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補正予算の成立後に

 直近の世論調査によると、内閣支持率と自民党の支持率は2012年の政権交代以降最低を更新している。岸田政権の打ち出す政策が不評を買っている証拠だろう。が、それでも報道各社の平均で25%程度の内閣支持率と30%弱の政党支持率で推移しているのに対して、野党の支持率は伸び悩んだままであることから、岸田文雄首相が解散に打って出るのではないかとの情報がつい最近も永田町に出回った。結局、「年内解散を見送り」と各メディアで報じられたように、解散は年を越しそうな気配だが、この迷走は何を意味するのか?

「岸田首相は、所得税の減税や低所得者世帯への給付などを新たな経済対策に盛り込み、国民の可処分所得を下支えすることを狙っています。賃金上昇が物価高に追いついていない状況が変わるまでの一時的な措置ではありますが、補正予算案を編成してできるかぎり早期の成立を目指しているところです」

 と、政治部デスク。賃金上昇が物価高を追い越せるかについては議論があるが、それはともかくとして……。

政権基盤が脆弱

「そんな中、予算案を11月中に成立させた後、岸田首相が衆院を解散するのではないかとの情報が永田町を駆け巡っていました。その場合、12月24日の投開票が有力視されていました」(同)

 結局、それを打ち消すように「年内解散見送り」報道が相次いだわけだが……。

「岸田首相は、来年9月に任期満了を迎える自民党総裁選での再選を目論んでいます。その追い風となるようなら解散総選挙に打って出て勝利し、総裁選を無投票当選に持ち込みたい。一方でそれが難しいようなら総裁選を勝ち抜いた後に、衆院議員の任期が満了する2年以内に解散を打つということになります」(同)

 岸田首相の所属派閥は党内第4勢力と弱く、それだけに各派閥に細かく目配せをした政権運営を強いられてきた。

「政権基盤が脆弱なので、世の中から圧倒的に支持されない限り、党内に気を遣わざるをえない。だからこそ支持率アップを求め、岸田官邸は今回、所得税減税を打ち出し、内閣支持率が上昇した頃合いを見て解散、という流れを視野に入れていたのは間違いありません」(同)

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