岡田監督夫人が明かす「逆王手をかけられた夜」の様子 進退について「使命を達成できていないと考えているように見える」

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「まさしく天下人」

 もう一人、つとに知られた虎党として、

「前回の85年は、訳あって僕が成績不良で2回目の高校2年生を繰り返した年でした」

 と明かすのは、タレントの松村邦洋(56)である。

「とりわけ90年代は地獄でした。新庄・亀山ブームはありましたけれど、最下位とともに歩んだ年月で、5位になるのが大変だと思っていたくらいです。でも、その後は監督の流れがよかったですね」

 続けて“大河ドラマオタク”らしく、以下のように解説するのだ。

「『織田がつき 羽柴がこねし天下餅 すわりしままに食うは徳川』の歌ではありませんが、野村さんがついて星野さんがこねたことで05年の岡田さんの優勝につながった。もちろんシーツを一塁手に起用した岡田さんの守り勝つ野球、そして何より強くなった時に受け持つタイミングが良いのです。今回MVPに選ばれた近本光司選手(29)は史上最高の1番バッターだと思いますが、これも金本・矢野両監督が若手を育てる流れを作ってきたのが大きいのでしょう。そしてそこから岡田さんが徹底した勝つ野球で優勝に持っていった。まさしく天下人ですよね」

 であれば、監督の口癖である「おーん」も、実に奥深い相づちであると感じられるから不思議である。

含みのある回答

 さて、2年契約の岡田監督は来季も指揮を執る予定。日本一の監督にずっと手腕を振るってほしいと願うのも、ファン心理であろう。

 陽子夫人はこれまで、監督の年齢などを理由に契約が終了した後の「延長」については否定的な見方を示していたのだが、今回あらためて尋ねると、

「主人としては、チームはまだ完成形ではなく成長する余地があり、教えたいことが残っていると感じているみたいです。昨年、就任のお話を頂いた時、球団は『後輩たちにできる限りのことを教えてほしい』という感じでした。その使命を、主人はまだ達成できていないと考えているように見受けられます」

 前出の角会長も、

「たしかに年齢的にはだいぶ召されていますが、少なくとも来シーズンはやっていただくということです。要するに『次のリーダーを育ててほしい』というのが、最初のお話でしたから」

 と、こちらも含みのある物言い。常勝軍団とダメ虎の分かれ目は、何よりも指揮官次第なのだろう。

週刊新潮 2023年11月16日号掲載

特集「『岡田タイガース』“38年ぶり日本一” 私はこう見た」より

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