岡田監督夫人が明かす「逆王手をかけられた夜」の様子 進退について「使命を達成できていないと考えているように見える」
「こんな球団は他にはない」
そもそもチーム再建のために岡田監督を招聘(しょうへい)したのは、親会社である阪急阪神ホールディングスのトップ・角和夫会長(74)であった。
昨年は春季キャンプ直前に矢野燿大(あきひろ)監督(当時)が「今季で辞める」と口にしたこともあり、動揺が広がってチームはスタートダッシュに失敗。そんな状況下、5月には角会長が岡田監督とゴルフや会食を共にし、監督就任の打診を行っていたと本誌(「週刊新潮」)も報じていた。グループ内では、平田勝男ヘッドコーチ(64)など他の監督候補が挙がっていたところ、“総帥のツルの一声”で一転、「岡田新体制」が実現したのだという。
自らの慧眼(けいがん)で日本一を手繰り寄せたともいえる角会長に聞くと、
「そんなことはないです。私が決めたわけではなく、球団側がいろいろと話し合って決まったことですから」
そう打ち消しながらも、
「甲子園で開催したパブリックビューイングが、あれほど盛り上がるとは……。こんな球団は他にはないのではないでしょうか。岡田監督は選手の気持ちを大事にして戦ってくれたと思いますし、関西が元気になるということも合わせて、いい日本シリーズでしたね」
26回のダイブ
ひとくちに“関西対決”といっても、両球団が帯びるカラーは大いに異なる。それは例えば、優勝決定時の繁華街の警備態勢からも如実にうかがえるのだ。
「1985年に日本一となった時から、ファンの若者らは道頓堀川へ飛び込んでいました」
とは、さる在阪記者。
「2003年のリーグ優勝時には死者も出ましたが、今ではすっかり阪神優勝のイベントとして定着してしまいました。今回、9月14日のリーグ優勝の夜には戎橋を中心に1300人の警察官が配置されたにもかかわらず、26回のダイブが繰り返されています」
一方、オリックスが3連覇を決めた9月20日の夜は警官の姿もまばらで、繁華街は普段と変わらぬ様相を見せていた。そして、
「府警は11月5日の夜も、阪神Vを想定して1300人を配置させましたが、オリックス日本一の場合は態勢を段階的に縮小する方針だったのです」(同)
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