侍ジャパン・井端弘和監督も高く評価! 明治大“強打のショート”宗山塁、関西大の“高速左腕”金丸夢斗にスカウト陣が熱視線…2024年の「ドラ1」は間違いなし?
リーグ戦通算19勝2敗、防御率1.07
「野手の目玉」が宗山ならば、「投手の目玉」は金丸だ。神港橘時代は甲子園や近畿大会の出場はなく、3年時は新型コロナウイルス感染拡大の影響で公式戦が中止になったこともあって全国的に無名の存在だった。それでも関係者の間では密かに話題に挙がっていた。
近畿地区担当のスカウトは、当時の金丸について、以下のように話している。
「3年春に全く試合がなかったので、なかなかピッチングを見る機会はありませんでした。やっと練習試合をやると聞いて見に行こうと思ったら、部員にコロナ感染者が出て中止。夏の兵庫県の代替大会でやっと見ることができて、これは素晴らしいと思いましたが、その時には既に関西大に進路が決まっていました。関西大でコーチをしている山口高志さん(元阪急)の出身校(当時は市立神港)だったという縁だそうです。コロナがなくて、普通に公式戦が行われていたら、高校からプロ入りしていた可能性は高かったと思いますね」
このスカウトの言葉通り、金丸は大学でも早くから先発の一角に定着する。現時点でリーグ戦通算19勝2敗、防御率1.07と素晴らしい成績を残している。下級生の頃から主戦を任されると、相手に研究されて徐々に成績を落とすケースも少なくないが、今年の秋のリーグ戦は、6試合に登板して6勝0敗、防御率0.35と驚異的な数字をマーク。5試合が二桁奪三振と、まさに“無双状態”だった。
武器は精密なコントロール
ストレートの最速は153キロで、さらに三振を奪えるサウスポーといえば、荒れ球を想像するかもしれない。だが、金丸の武器はむしろ精密なコントロールにある。この秋も51回を投げて与えた四死球はわずかに8。左投手でありながら、左打者の内角いっぱいに腕を振って150キロ前後のストレートを投げ込むことができ、逆球が非常に少ない。
変化球は、スライダー、カットボールは鋭く横に滑り、チェンジアップのブレーキも抜群だ。今年の秋のリーグ戦での金丸のピッチングを近くで見ていたスカウトからは「今年のドラフトでも競合1位になる」という声も聞かれ、総合力で、今年のドラフト会議で1位指名された、同じ左腕の武内夏暉(国学院大・西武)や細野晴希(東洋大・日本ハム)と比べても、上回っているという印象だ。
宗山は抜群の守備力を誇るショートでありながら打撃力が高く、金丸も本格派サウスポーでありながらコントロールが抜群で、ともに“希少価値の高い選手”であることから、プロ側の評価が高くなっていると考えられる。2024年のドラフト戦線を牽引するこの2人に今から注目してもらいたい。
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