公開3日で興収10億円超 「ゴジラ- 1.0」は「シン・ゴジラ」を超えることができるか
オリジナルのゴジラに近い?
10月27日、山崎監督と庵野監督は、都内で行われたトークショーに出演。その際、オファーを振り返った山崎監督は「『シン・ゴジラ』の後かよ……」と思ったそうで、庵野監督も「よくやったよね」と返して笑わせた。
山崎監督は、「撮影の途中に庵野さんが陣中見舞いで来てくれたんです。その時に『本当によくやるよね』って。だって、他(の監督)やんないじゃないですか」と、責任感を持って取り組んだことを明かし、庵野監督は「さすが山崎くんだな」と称賛した。
また、庵野監督は「シン・ゴジラ」について、「目指したのはCGを使って特撮の映像を再現すること。海外作品のように、筋肉を動かすのをやりたいんじゃなくて、着ぐるみを再現したかった」と明かした。
「庵野監督はオリジナリティーのあるゴジラを目指し、その動きは狂言師の野村萬斎を起用してモーションキャプチャーを取り入れました。それまでのゴジラは、手のひらが下を向いていましたが、『シン・ゴジラ』は上向きだったのはそのためです。さらに、庵野監督が書いた台本のセリフがとにかく長過ぎて。まともにやっていたら商業作品としては成立しないため、出演者全員のセリフが早口になっています。法律、軍事、政治、科学の難しい専門用語を早口でペラペラやるもんですから、意味が分からなくなる観客も続出していました。それに対し、山崎監督はゴジラの動きもビジュアルも音楽も、オリジナルのゴジラに歩み寄り、セリフも普通の速度で分かりやすいストーリーに仕上げています。これにより、往年のファンは『これぞ、ゴジラ』と安心したはずです」(映画業界関係者)
そもそもゴジラは、水爆実験によって生まれたことに始まる。いわば「核の落とし子」であり、人類の“負”の部分を背負わされて誕生した。焼けただれた溶岩のような黒い皮膚、常に怒りを込めたような表情で人類に牙を剥くのは因果応報である。それでも駆逐しなければならない……。しかし観客は、ゴジラが駆逐されるのを承知で、映画館に足を運ぶ。
「シリーズ作品の中でも特に初期の作品では、見るたびにこうした空虚さを味わうのですが、『シン・ゴジラ』よりも今作の方がよりそれを痛感できました。とはいえ、今作の終盤のストーリーは、ゴジラファンが色々な考察を楽しめる展開になっています。この先もまだまだ、新しいゴジラを見る事ができそうです」(同)