【独占】ウクライナ軍「ドローン部隊」に密着取材 前線が近づくと「スマホの電源を切れ」 コントロールブースで見た光景は

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世界最先端のドローン・ウォーが展開される戦場

 取材したドローンユニットのリーダー、レベッカ氏は歴戦の兵士かと思いきや、ロシアの侵攻直後に入隊したという。もとは建設業で建物の撮影のためにドローンを扱ったことはあったが、本格的に軍事用ドローンの操縦を学んだのは入隊した後。ウクライナがドローンの増産に加えて、人材とくに操縦士の育成を急ピッチで進めていることをうかがわせた。

 戦場ではドローンが偵察にも攻撃にも使われており、偵察用のほか「カミカゼドローン」と呼ばれる自爆型ドローンやミサイル搭載型など、さまざまな種類がある。

 ロシアもまた巡航ミサイルよりはるかに安上がりなドローンを多用しており、ウクライナ軍によれば、9月だけで500機の自爆ドローンでインフラ施設や都市部の住宅地を攻撃したという。いまも連日、ロシアは大量のドローンによる攻撃を繰り返しており、冬時にはさらに攻撃が強化されることをウクライナは警戒している。

 ロシア、ウクライナともにドローンの技術革新に注力し、次々に新たなタイプが開発されている。双方でAI搭載のドローンの実戦への投入が視野にはいったとも報じられている。ウクライナの戦場は、世界最先端のドローン・ウォーが展開される場となりつつある。

高世 仁(たかせ・ひとし)
ジャーナリスト。著書に『拉致-北朝鮮の国家犯罪』(講談社)、『チェルノブイリの今:フクシマへの教訓』(旬報社)などがある。2022年11月下旬にはアフガニスタンを取材した。

デイリー新潮編集部

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