中日の伝統を無視した立浪監督のドラフト戦略 しかも“外れ1位”の亜大・草加勝投手は「まだ見ていない」で波紋

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ドラフト戦略への疑問

「度会の所属するENEOSは、クライマックスシリーズに備えていたDeNAと、ドラフト直前の10月10日に練習試合をやっています。各球団のスカウトも視察に来ていました。度会は定位置のライトではなく、サードでスタメン出場しています。『内野も守れますよ』という、度会側のアピールでしょう。特筆すべきはDeNAのセットアッパーである伊勢大夢(25)からクリーンヒットを放ったこと。プロ投手のパワー、スピードに力負けしませんでした」(前出・在京球団スタッフ)

 この報告が「度会を1位に」という、立浪監督の決断を後押ししたそうだ。

 皮肉なことに、さらに度会の入札・抽選にともに参加した千葉ロッテに、上田をさらわれてしまった。

 ロッテは4度目の入札でようやく上田の1位指名を決めたが、2回目の抽選でも、草加の入札で中日と競合し、ここで立浪監督が当たりクジを引いた。その時点では同監督は口元を緩めていたが、「ロッテ1位・上田」がアナウンスされたときの中日スカウト、関係者たちの心境は複雑だったはずだ。

 さらに、立浪監督のドラフト戦略への疑問は他にもある。

「ドラフト2、3位で二遊間を守れる社会人、大学生を指名しました。2位で三菱重工Eastの津田啓史(20)、3位で仙台大の辻本倫太郎(22)。昨年のドラフトで同じ内野手の村松開人(22)、田中幹也(23)、福永裕基(27)を指名しています。明確な戦略が感じられません」(前出・同)

 秋季キャンプ序盤では宇佐見真吾(30)が一塁での守備練習に加わり、埼玉西武の山川穂高(31)がFA権を行使した場合は交渉に乗り出すという。4番・ビシエド(34)も国内FA権を取得したので、来季からは外国人選手枠から外れる。

 立浪監督によるチーム改造はこれから佳境に入るが、プロ3年目で今季初登板となった8月25日のDeNA戦9回に登板し、1イニングに8安打5四死球、10失点、実に62球を投げ、交代させなかったことで物議をかもした近藤廉(25)には戦力外が通達された(育成を打診する方針)。なりふり構わぬ再建が進められているが、熱心なファンから、嫌われるような監督にだけはならないでもらいたいものだ。

デイリー新潮編集部

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