「そんなに大問題なんですか?」 岸田首相のAIフェイク動画作成の25歳無職が反論「これがダメなら風刺画も」

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1時間ほどで動画が完成

「あの動画を初めて公開したのは、7月ごろでした」

 と作成者が経緯を説明する。

「今年の5月に岸田首相が自分の声を学習したAIと対面したというニュースを見たんです。その時に首相は“おお、すごい”みたいな反応をしていた。重要な問題なのに、そんな対応でいいのか、と」

 で、軽いノリで作ったのが件の動画というわけだ。

 作成に使用したのは、いわゆる「生成AI」。データを入力すると、そのパターンや関係を自ら学習し、新たなコンテンツを制作するAIソフトだ。

 彼はネット上のフリーソフトの交流プラットフォームでボイスチェンジャーソフトを入手。youtube上にあった記者会見や演説などを入力し、首相の音声データを学習させた。その上で、

「岸田さんっぽい言い回しで文章を読み上げました。原文はネットのゲイ向け掲示板に上げられている有名コンテンツを参考に。それをマイクで拾ってソフトに入れて岸田さんの声に変換させました」

 さらに別のAIソフトを用い、音声に合わせて首相が口パクするように編集した。字幕や画像をフォトショップで編集して動画は完成。要したのは1時間ほどだったという。

「教えてもらったら2週間でできた」

「これをニコ動(ニコニコ動画)とTwitterにアップしましたけど、その時はバズらなかった。でも、11月に入って再掲したら、なぜかこんなに話題になってしまったんです」

 そう語る作成者は大阪在住の25歳。地元の高校を卒業し、一旦、就職したものの、「全然仕事できない。もうあかん、辞めますと言って」退職し、今は無職、実家住まいとか。

「昨年の国葬の際、東大生らが安倍元総理のAI動画を作って話題になった。それを見て政治家の動画を作るようになりました。プログラムなんてまったくわかんなかったですけど、詳しい人にチャットで教えてもらったら2週間でできました」

 ならば、このレベルの偽動画なら誰にでも作れるということだろう。

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