「そんなに大問題なんですか?」 岸田首相のAIフェイク動画作成の25歳無職が反論「これがダメなら風刺画も」
画像を悪用された日本テレビが激怒したのに続き、官房長官までが懸念を表明した。岸田首相のAI偽動画で世は大騒ぎだが、作成した「25歳無職」氏の言い分とは。
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【写真を見る】「文字にするのも憚られる言葉の連発」 問題となった「フェイク動画」
世界に目を向ければ、イスラエルVS.ハマスの紛争でも大量のフェイク動画が出回り、各国は対策強化を迫られている。それに比べれば日本の状況はまだ牧歌的といえるのか。
「日テレさんのフォーマットを使ったことは本当に申し訳ないと思います。社員さんたちの時間を対応に奪っているわけで、本当に申し訳ないな、と」
そう述べるのは、作成者ご本人。しかし、反省の弁はここまでで、騒ぎについては納得のいかない点もあるという。
「逆ギレみたいになってしまいますけど、そんなに大問題なんですか? フェイクニュースって言われてますけど、ギャグだとわかるような形でやってますし。岸田さんは公人だし、これがダメなら風刺画とか全部ダメじゃないですか」
文字にするのをはばかられる表現の連発
そう強弁する彼作成のフェイク動画が広く出回ったのは、今月2日のこと。転載されていまだネット上に残るその動画は、執務室風の壁をバックに「確かにいたしました」と岸田首相が語りかける場面から始まる。“会見”は3分半以上続き、首相が路上生活者と土木作業員と3人で、国会議事堂近くの人気がない場所に向かい、「しこたま酒を飲んでヤリはじめさせていただきました」と告白する。文字にするのをはばかられる表現の連発。画面には日テレのニュース番組のロゴやテロップが表示されているから、ぱっと見では、首相のオンライン会見を報じる放送と誤認せしめるものだ。
この短縮版を作成者がX(旧Twitter)に投稿すると瞬く間に拡散され、翌日までに200万回以上再生された。反響は大きく、慌てて彼は動画を削除したが、日テレは「しかるべき措置を取る」など怒りに震えるコメントを発し、松野官房長官までが「民主主義の基盤を傷つける」と言及したのだった。
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