「日本全国の任侠界の平和を願う」 6代目山口組と神戸山口組との抗争平定に浮上した九州ヤクザ
九州4社会
4代目道仁会(本部:福岡県久留米市)の小林哲治会長といえば、神戸山口組の井上邦雄組長に対して、「白旗をあげるように」と説得工作を行ってきた人物として、ヤクザ業界界隈ではよく知られた存在である。この道仁会と、彼らがメンバーである九州4社会という枠組みへの注目度が今高まっているのだという。なぜか――。
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4代目道仁会の小林会長はこれまで陰に陽に、神戸山口組にアプローチし、6代目山口組との抗争をソフトランディングさせるべく動いてきた1人だ。何の狙いも脈絡もなく仲介の労を取ることはヤクザの世界ではありえないとの指摘もあるが、本人は意に介さず「平和外交」に精勤する日々なのだという。
「今もなお、井上組長への説得のタイミングをうかがっていると聞いています」
と、竹垣悟氏(NPO法人「五仁會」主宰)。
4代目太州会の存在
なかなか白旗をあげないどころか、時間をかけてこう着状態を続けることで6代目の代替わりを誘い、何らかの勝機を見出そうとしているともされる井上組長。説得・仲介を担える勢力として、4代目道仁会単体のみならず、道仁会が所属する九州4社会の存在がクローズアップされているという。
「九州4社会は4代目道仁会のほか、3代目熊本會、4代目太州会、そして5代目工藤會で構成されています。彼らが謳っている目的は、九州だけでなく日本全国の任侠界の平和を願うということのようです。その点で言うと小林会長の行動はそれなりに理解できますし、九州4社会がクローズアップされる理由があるかと思います」(同)
そもそも一般人からすればどの口で「平和を願う」などと言うのか、というところだろうが、あくまでも彼らの目的は「任侠界の平和」実現。したがって和平に動くことは当然であるし、それは結果的に社会にとってもプラスだという主張も可能ではある。
とはいえ、4社会のうち5代目工藤會は、総裁と会長が殺人罪などで起訴され、1審で死刑・無期懲役の判決を受け、控訴審が進行中で、仲介どころではないはずだ。
そこで新たに存在感を示しているのが4代目太州会なのだ、と竹垣氏は指摘する。
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