地方在住の富裕層が“高級腕時計”は買っても、「仮想通貨」や「スポーツカー」の購入はためらう“都会では考えられない理由”
高級腕時計とアンティークコインが人気の理由
現物資産として人気の高級腕時計やアンティークコインは、地方の富裕層にとっても実に便利なコレクションアイテムである。もっともありがたいのは、家の中で保管がしやすく、近所の人に資産家であることがバレにくい点だという。対して、フェラーリやポルシェなどの、いわゆるわかりやすい高級車やスポーツカーはご法度である。不動産会社を経営するB氏がこう話す。
「自宅の庭においておけばすぐにバレるし、立派なガレージを建設すると羽振りがいいと思われる。保管場所を取り、誰の目にも高級品とわかる品物は、地方には不向きだと思います。僕もフェラーリが欲しいし、買えるんですけどね。だからといって軽自動車だと様にならないので、レクサスには乗っています」
地方在住の開業医C氏は、3年間に及んだコロナ騒動で、ワクチン接種の補助金で莫大な富を得た。彼の趣味は高級腕時計のコレクションであり、東京の百貨店からわざわざ外商が行脚に訪れる。「高級腕時計に関しては、医師はYouTuberやIT系と比較にならないほど優遇されていますよ(笑)。回してもらえるレアモデルのレベルが違いますから」と語る。そんなC氏ですら、周りに気を遣うことは多いと話す。
「地元の開業医の息子ですから、金持ちだと思われているので楽なのですが、やっかみが多くて困るんですよ。反ワクチンの住民から『医者は儲かっているんだろ』と攻撃されたりとかね。ええ、儲かっていますけれど、それが何? という感じですよ。面倒だから、あんまり地元の店では遊んだりはしないですね。もっとも、田舎過ぎてあまりいい店がないという事情もありますが(笑)」
田舎の公務員は個人情報を守れ
こうした地方の富裕層が稼ぎ出すマネーは、本来であれば地方にとっては貴重な財源になるはずである。ところが、地方では金持ちをねたんだり、ひがんだりする声を多く聞く。そうした富裕層が資産を分散させたり、地元以外で納税したりしてしまうと、地元にとって大きな損失であるはずだ。
高額納税者の漫画家・鳥山明氏のために自治体が立派な道路を建設したという都市伝説があるが、本来であれば、富裕層のために至れり尽くせりとまではいかないにせよ、彼らが住みやすい環境を整備するなどのサービスは必要ではないか。そう話したら、さきのA氏がこう語った。
「そこまでする必要はないと思いますが、とにかく、役所の人はプライバシーくらい守って欲しい。個人情報の扱いに対する意識が低すぎる。納税額などの話をスーパーなどの人に聞こえる場所で話したり、自分の子どもに話したりするのは止めて欲しい。最低限の個人情報の扱いさえ守ってくれれば、僕は喜んで地元のために働きますし、納税もしますよ」
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