岩井明愛・千怜の双子姉妹が大活躍 欧州、米国でも「双子ゴルファー」が強い理由

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双子選手は過去にも

 ゴルフ・ヒストリーを振り返れば、姉妹や兄弟でともにスター選手になった例は、過去にも現在にもいくつかある。日本では1990年代に尾崎3兄弟(将司、健夫、直道)の活躍があり、近年の米女子ゴルフ界ではジェシカ&ネリー・コルダ姉妹が活躍中だ。

 だが、双子が揃って活躍した例は、日本でも海外でも決して多くはない。

 1990年代後半、米ゴルフ界ではタイ出身で韓国籍の双子姉妹、アリー&ナリー・ウォングルキット(後に姓はソンに変更)がジュニア時代から注目を集め、米LPGA史上初の双子によるツアー入りを果たした。

 しかし、2004年のツアーデビュー以来、姉アリ―は1勝も挙げられぬまますでにミドルエイジを迎え、妹ナリーは米女子ツアーの選手名簿から名前が消えてしまった。

 日本では北海道出身の池内絵梨藻・真梨藻と大阪府出身の久保啓子・宣子が、どちらも2008年にプロテスト合格を果たした。それから十数年が経過したが、双子姉妹によるゴルフ界での活躍は、米国のレオナ&リサ・マグワイアなど数例があるものの、大きな注目を集めた例は私が知る限りでは日本でも世界でもなかったと思う。

 それなのになぜ今、日米欧で双子ゴルファーが目覚ましい活躍を披露しているのか? その問いはやっぱり難解すぎて回答に窮するが、彼ら彼女らの忍耐と努力が双子の兄弟姉妹を花開かせていることだけは確かである。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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