レンズメーカー「タムロン」歴代2社長が巨額の私的流用 69歳「前社長」が海外出張にも同伴させた女性「S」の正体

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 共同通信は11月2日、「歴代2社長で1億円超流用 タムロン、女性と私的飲食」との記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。タムロンという企業を知らない方もいるかもしれないが、カメラ用レンズで世界シェアの約4割を占める優良企業だ。担当記者が言う。

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「タムロンの創業は1950年。双眼鏡レンズの研磨加工の下請けからのスタートし、当時の社員は13人だったそうです。高い技術力は昔から定評があり、1950年代に日本製のカメラが世界で脚光を浴びるようになると、タムロンがカメラ本体の生産に乗り出したとしても不思議ではありませんでした。ところがタムロンは望遠レンズの開発と生産に注力し、これが成功を収めるのです。今でもタムロンのレンズは純正品と互角の品質ながら、低価格を実現しているので人気です」

 近年は監視カメラや車載カメラのレンズにも進出し、1984年にはJASDAQに、2006年には東証一部(現・プライム)に上場。公式サイトによると、2022年の売上高(連結)は634億4500万円となっている。

 タムロンは《創業の精神》として《世界光学工業界のトップをめざして、堅実に前進》と掲げている。ところが、今回、明らかになった不祥事は、およそ《堅実》という言葉からは遠いものだった。まずは共同通信の報道からご紹介しよう。

 タムロンは2日、鰺坂司郎前社長と、鰺坂氏の前任の小野守男元社長が、単独や女性を伴った飲食で、計1億6000万円を超える会社の経費を私的流用していたことが判明したと発表した。内訳は鰺坂氏が3000万円超、小野氏は1億3000万円超に達したという。

発端は内部通報

 共同通信は見出しで「女性と私的飲食」と報じた。ということは、1億円を超える巨費が女性に投じられたのか。そもそも2社長はどんな人物なのか。そして、女性とは何者なのか──?

 まずは小野守男元社長から見てみよう。1948年2月生まれの75歳。高校を卒業後、自動車部品メーカーに就職したが転職を思い立ち、ハローワークでタムロンを紹介されて入社したという異色の経歴を持つ。

 創業者で当時の社長に高く評価され、転職4年目で取締役に指名された。当時、小野氏は30歳だったという。

 鰺坂司郎前社長は1954年7月生まれの69歳。立命館大学経済学部を卒業後、78年にタムロンに入社。専務などを経て、2015年3月に副社長、16年2月に社長に就任。鰺坂氏の社長就任に伴い、小野氏は相談役となった。

 発端は7月9日、タムロンが運営する内部通報制度に、当時は社長だった鰺坂氏に関する“情報”がもたらされたことに遡る。鰺坂氏が「S」という“通称”を持つ女性を出張に同伴させ、会社の経費を私的に流用しているという内容だった。

 事態を重く見たタムロンは8月、取締役会で特別調査委員会の設置を決定。弁護士2名と公認会計士1名を委員長と委員に任命、調査を依頼した。この時点で鰺坂氏は、社長と取締役を辞任した。

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