サントリー新浪社長に総額10億円の「高級コンドミニアム」私物化疑惑 保養所なのにHP、有価証券報告書でも非公開

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購入された5戸の物件

 本誌はローソンの現役社員や元社員、元幹部、元役員などに取材してきたが、「ハワイ豪華施設」を保養施設として利用したことがある、あるいは周りの社員が利用したと聞いたことがある、と語った人は皆無。謎を解明するためにその後も取材を続けたところ、「ハワイ豪華施設」が他にもあることが分かった。新浪氏はローソンを去る1年前、13年にもローソン名義で超高級コンドミニアム「ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキビーチ」の3302号室を購入していたのだ。広さは149平米。

「『ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキビーチ』は、『レジデンス』との表記が示す通り、日本で言うところの超高級分譲マンション(コンドミニアム)であり、各部屋に所有者がいます」

 ハワイの不動産業関係者はそう説明する。

「部屋の一部をリッツカールトンが借り受けて運営母体となり、ホテルサービスを提供しています。客室にはキッチンや洗濯機など長期滞在に適した設備が整っていて、スーパーマーケットで食材を買い込み、自炊して過ごすことも可能です」

 レジデンス所有者の7割超、ホテル利用者の6割が日本人なのも大きな特徴で、

「ホテルに到着するとエントランスから日本語で出迎えてくれるので、英語に不慣れな日本人でも安心して利用できます。8階の開放感あふれるフロントでチェックインを行います。敷地内にはオールデイダイニングや、すし職人・中澤圭二氏が東京・四谷の本店を離れて手がける江戸前ずしの名店『すし匠』といった飲食店の他、インフィニティ・プールなどの施設が整っています」(同)

 新浪氏が社長を務めていた時期に購入したのはこの「リッツカールトン」1戸の他、「ワイキキビーチタワー」3戸、「ウォーターマーク」1戸の計5戸。

存在を隠していた?

 すでに複数の「豪華施設」が存在するのに、さらに豪奢な「リッツカールトン」を買い足した新浪氏。なんと社員思いの社長だろうか、と言いたいところだが、なぜかこれらの「保養施設」は会社HPなどで一切公表されていないし、社員に向けて通達された形跡もない。対外的にも、福利厚生が充実していることをアピールした方が会社のイメージアップにつながるし、優秀な人材を集めるためにもいいと思うのだが、まるでそれらの存在を「隠す」かのように全く情報を公開していないのは不可解と言う他ない。

 なお、「ワイキキビーチタワー」4002号室と「リッツカールトン」3302号室は19年、ローソンの子会社である「ローソンUSAハワイ」に売却され、現在も同社が保有している。しかし、現在に至るまで、これらの「保養施設」の存在が公表されたことはない。

「ローソンの社員が誰でも使えた保養所のような施設としては、親会社がダイエーだった時から富士山麓に持っていたゲストハウスが挙げられます。もちろん、そのゲストハウスの存在は社員なら皆知っていました。ただ、新浪さんが社長になってから“稼働率が悪いからやめちまえ”と言ってなくしてしまいましたが……」(ローソン元役員)

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