“増税メガネ”岸田総理に降りかかる「政治資金パーティー」過少申告問題 告発者は「裏金作りの温床になっている」

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 ぶち上げた「減税策」が不評すぎて、支持率が上向く様子もない岸田政権。さらに追い打ちをかけそうなのが、自民党内の各派閥の政治資金パーティーの問題だ。

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計1946万円の不記載

 11月2日、読売新聞が「自民5派閥 過少記載疑い 告発状提出 パーティー収入4000万円」という記事を掲載した。

 記事では自民党派閥の政治団体である「清和政策研究会」など5つの政治団体が派閥の政治資金パーティーの収入を過少記載していたとしている。神戸学院大学の上脇博之教授が政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)容疑での告発状を東京地検に提出しており、それを受けての報道だった。

「きっかけは『しんぶん赤旗』の報道でした」

 とは、当の上脇教授。

「昨年、『しんぶん赤旗日曜版』が安倍派などの5派閥が20万円超のパーティー券を政治団体に購入してもらったにもかかわらず、各派の政治資金収支報告書に記載していない疑惑を報じたのです。政治資金規正法では政治資金パーティーの透明性を図るため、20万円を超えて購入した個人や団体について、収支報告書に購入者の明細を記載するよう義務付けています。これが記載されていないのですから、政治資金規正法上の『不記載』にあたる。昨年11月の時点で清和会(安倍派)については、2018年から20年までで計1946万円を記載していないとして、すでに告発状を提出しています」

 上脇教授は、この報道をきっかけに断続的に東京地検に各派についての告発状を提出している。平成研究会(茂木派)は計620万円の不記載、岸田総理が会長を務める宏池会(岸田派)の政治団体である宏池政策研究会は212万円、志師会(二階派)は754万円、志公会(麻生派)は410万円の不記載が確認されたという。

不記載の問題は氷山の一角

「20万円を超えるパーティー券を販売していながら、記載せずに見落とすというのはありえません。今回の件が悪質なのは、1年だけでなく複数年、しかも複数の派閥にまたがって、不記載が行われていることです。今回はパーティー券を購入した政治団体の収支報告書をチェックし、20万円超の記載があるかどうかを確認の上、さらに派閥の報告書をチェックする形で、不記載の事実が分かりました。しかし、収支報告書の提出義務のない個人や企業に20万円を超えるパー券を販売していたとしたら、調べようがありません。ですから、この不記載の問題は氷山の一角と言えるのです」(同)

 では、なぜこのような事態を招いてしまったのか。

「派閥では誰がどこにパー券を何枚売ったか、という情報を把握していないからですよ」

 と解説するのは、さる主要派閥に属するベテラン秘書である。

「派閥のパーティー券は所属する議員それぞれに販売枚数のノルマが課されています。概ね1事務所で数百万円分、派閥の幹部になれば1000万円を超えることもあります。それを支援者らに売って回るのですが、特定の企業や政治団体には複数の議員が“売り込み”をかけます。その団体に同じ派閥のA議員から10万円分、B議員から10万円分、C議員から10万円分を購入してもらうと、この団体は派閥のパー券を30万円分購入したことになる。ところが、派閥はその詳細までは知らないのです」

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