暗殺作戦で目、腕、家族を失った「ハマス軍事司令官」はどんな人物? 「デジタル機器を持たず、人前に姿を見せない」
国連の「人道的休戦決議」案は採択されたものの、ガザ地区ではいっそうの戦闘激化が予想される。イスラエルによる本格的な地上作戦の幕が切って落とされるのは時間の問題だが、迎え撃つハマスを率いるのは「闇の男」だという。
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イスラエル軍は10月25日以降、連日にわたって地上部隊がガザに越境。北部にあるハマスの地下施設などを攻撃している。
「ネタニヤフ首相は28日、『戦争は第2段階に入った』と宣言、地上作戦を継続する方針を示しました。一方、国連総会では27日、121カ国の賛成多数で『人道目的の休戦』が採択されましたが、法的拘束力がない上に、ハマスへの非難が盛り込まれていないためイスラエルや米国など14カ国が反対に回りました」(全国紙外信部デスク)
人前に姿を見せないデイフ司令官
10月7日の“開戦”から1カ月。双方の死者が合わせて1万人を超える中、来たるべきイスラエル軍の総攻撃にハマスは徹底抗戦の構えを見せている。目下、イスラエルが最重要ターゲットとしているのは、ハマスの軍事部門「カッサム旅団」のトップであるムハンマド・デイフ司令官。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏によれば、
「カッサム旅団は最大で総勢3万~4万人といわれるものの、基本的には4~5人の“細胞”単位で行動します。仲間が拘束された際に情報が漏れるのを防ぐため、みな自分の細胞以外のメンバーを知らされていません。戦死して初めて隊員だったと分かるケースもままあります。そのトップに君臨するのがデイフ司令官ですが、まず人前に姿を見せることはありません」
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