「柿沢未途側から買収をもちかけられた」 江東区長の公選法違反疑惑で現職区議が緊急証言
公選法に抵触する可能性
政治資金問題に詳しい神戸学院大学法学部教授の上脇博之氏によれば、
「一般論からいえば、地方の選挙でも有権者一人にカネを配るより、一地方議員にカネを配った方が後援会の方々の票まで動くわけです。だからカネを配る相手としては費用対効果が高いことになります。もっとも政界では『河井事件』もありましたから、今回の件でも公選法に抵触しないよう相当用心していると感じます。持ち掛けられた側に“買収じゃないか”という疑念が生じている以上は、柿沢氏側が事実関係を説明する必要があります」
元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏に聞くと、
「渡そうとしたものがカネであることが明確になり、特定の候補者を当選させるためという買収の意図がはっきりすれば、カネの受け渡しや約束が成立しておらずとも、投票ないし運動買収の申し込みということで、公選法第221条に抵触する場合があります」
さらに、こう続ける。
「特捜部は国会議員、それに相応するステータスのある人物の刑事責任を追及することを一丁目一番地にしているのは確かです。今回のように区長だけ捜査して何らかの刑事責任を追及したとしても、それで終わったら、世間的にも“特捜部はどうした”となる。今後は区長の取り調べや押収した資料を精査して、他に関与した者はいないか深掘りして、捜査を続けていくと思います」
当の柿沢議員本人に見解を問うたが、期日までに回答はなかった。
特捜の捜査は始まったばかり。司直の手は一体どこまで伸びるのか――。
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