「柿沢未途側から買収をもちかけられた」 江東区長の公選法違反疑惑で現職区議が緊急証言

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カネをばらまいているといううわさが

 実は冒頭の木村氏の選挙戦指南以外にも、きな臭い動きが見られたという。

「今年の2月ごろ、選挙の前に柿沢さん本人から直接、“ごあいさつしたい”という電話がありましてね」

 そう明かすのは、さる江東区議だ。

「多忙を理由に断ったんだけど、再び柿沢さんの秘書からも電話があった。同僚区議からは、木村陣営に柿沢さんのスタッフや後援会の人間が相当入ってカネをばらまいているという話を聞いていましてね。だいたい2月中旬から3月、返事を保留していた人は4月の選挙直前まで持ち掛けられていたみたい。区議同士で“あなたのところには持って来た?”って聞き合っていたくらいだったので、私への連絡もそういうことなんだなと……」

「カネの話なんだろ」

 先の区議の電話のやり取りを、以下に再現しよう。

――柿沢議員秘書

「ちょっと(柿沢議員)本人がごあいさつに行きたいのですが……」

――区議

「カネの話なんだろ」

――柿沢秘書

「それも含めて……」

――区議

「お金だったらいらないよ。票をくれるという話なら、会ってもいいけどね」

――柿沢秘書

「ああ、そうですか」

 金銭の提供は断るが選挙協力の話なら受けると応じたところ、先方からの連絡は二度となかった。柿沢氏は子飼いの秘書たちを選挙区内のエリア毎に割り振って配置し、区議たちと接触をさせていたという。

 付言すると、区長選と同日には江東区議選も行われた。分裂選挙の余波は区議にも及び、主に山崎氏を支持する自民系の会派と、木村氏を推す柿沢氏子飼いの会派に分かれていた。

 あの手この手で区議を自陣に引き込もうと切り崩し、木村氏を当選させようとした様子がうかがえる。件の区議には拒否され未遂に終わったが、これは露骨な買収行為といえるのではないか。

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