「柿沢未途側から買収をもちかけられた」 江東区長の公選法違反疑惑で現職区議が緊急証言

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 急転直下、現職の法務副大臣が辞任した裏で何が起こっているのか。東京地検特捜部の強制捜査から1週間で、二人の政治家のクビが飛んだ。事件はネット時代の選挙戦が舞台となっているが、背後ではなんとも泥臭い、アナログな人間模様が渦巻いていたのである。

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 岸田文雄首相(66)が「適材適所」だと豪語していたはずの改造内閣に、早くもほころびが生じている。

 10月31日、自民党の衆議院議員で法務副大臣の柿沢未途(みと)氏(52)が、突如として辞任の意向を明らかにしたのだ。コトの発端は、同月24日に江東区長だった木村弥生氏(58)が、東京地検特捜部の強制捜査を受けた一件に始まる。

 社会部デスクによれば、

「木村氏は今年4月に当選したばかりでしたが、特捜部による区長室や彼女の自宅など関係先のガサ入れがあった2日後には会見を開き、就任から半年あまりで辞任してしまいました。容疑は公職選挙法違反。区長選の最中にYouTubeで“木村やよいに投票してください”との字幕を付けた有料広告の動画を、告示日から投票前日までのうち5日間配信し、約38万回再生されました。公選法では選挙期間中に有料広告で候補者への投票を呼び掛ける行為は禁止となっています」

 取り調べで木村氏は、有料広告にかかった費用の約14万円は自分のクレジットカードで支払ったとして、違法であることを認める供述をしているという。

ほかの政治家に飛び火?

 その疑惑の動画に柿沢氏が関与している。朝日新聞(10月31日付)がそう報じたことで山が動いた。当該記事では柿沢氏が取材に答えた話として、選挙戦に打って出る木村氏に有料広告の配信を「この薬は効くらしい」と勧めたことが明かされている。また当時、違法性の認識はなかったとして故意ではなく「過失」だと柿沢氏は主張し、金銭的な支援はしていないとも抗弁している。

「この短期間で現職副大臣と23区の区長のクビが次々に飛んで急展開を迎えていますが、これで一件落着するとは思えません」

 そう話すのは、永田町のさる政界関係者だ。

「当初から特捜部の捜査は木村氏から他の政治家へ飛び火するのではないかと、政界ではささやかれていました。この事件を皮切りに、特捜は選挙における木村氏の金の流れを徹底的に調べるのではないか。木村氏と親しい政治家の中には、戦々恐々としている人間がいるといわれていたんです」

 確かに木村氏は区長選で、華やかな永田町人脈を大々的にアピールしてきた。

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