“猫のケンカ”を見習えでウクライナ大使館を激怒させた「カタログハウス」 かつては辻元議員の大スポンサー 独善的なセンスに識者もあ然
辻本氏と斎藤氏の“縁”
斎藤氏の思想的な立ち位置がよく分かるのが、週刊新潮(2011年9月29日号)に掲載された記事「民主党入り『辻元清美』のスポンサーは『通販生活』だった」だろう。
辻元氏は1996年の初当選以来、社民党の衆議院議員だった。2002年3月、週刊新潮が秘書給与の流用を報じると、辻元氏は議員辞職、7月には警視庁が詐欺容疑で逮捕した。
この時、評論家の佐高信氏が「不当逮捕」を訴え記者会見を開き、辻元氏を擁護する声明文を発表。賛同人として名前が報じられたのは、作家の落合恵子氏、評論家の吉武輝子氏、料理研究家の小林カツ代氏、そして斎藤氏だった。
辻元氏は05年の衆院選で再起を果たしたが、11年9月に社民党から民主党に移ることが明らかになった。社民党の党首・福島瑞穂氏は「応援した人を裏切っていくことは、一人の政治家として良いことではない」と痛烈に批判。週刊新潮の記事が出たのはまさにこの時期だった。
記事では社民党職員が取材に応じ、《絶対に許せませんね》と辻元氏を強い口調で非難。さらに矛先は斎藤氏に向かう。
《彼女は、『通販生活』のオーナー夫妻から多額の献金を受けているのです。それも、元は党の支援企業だったのですからね》
今は息子が代表取締役
さらに、内情をよく知る政治部記者が《斎藤さんは、自宅のある東京・国立市で革新系市長を応援》していたと解説する。
《『通販生活』でも憲法9条や原発問題を取り上げているシンパ。社民党はカタログハウスから1500万円の団体献金を受け、同額の借入金があったことも。それがある時期を境に、辻元さんだけに肩入れするようになったのですよ》
辻元氏の資金管理団体「市民と平和プロジェクト」の政治資金収支報告書を週刊新潮が調査すると、2009年までの4年間で個人献金は計965万円。なんと、そのうち斎藤夫妻の献金が780万円も占めていたという。
斎藤氏は週刊新潮の取材に応じ、なぜ辻元氏を支援しているのかを説明した。
《辻元クンを応援し始めたのは03年に(秘書給与事件で)逮捕された後から。確かに、彼女は法を犯したけど、逮捕はやり過ぎだと思ったからです》
多額の献金は《逮捕に抗議した以上は経済的には支えていかなければならない》と主張。社民党を裏切って民主党に移ることも、辻元氏が《憲法9条を守り、脱原発を目指しているから》賛成だとした。
カタログハウスの法人登記を見ると、今でも斎藤氏は取締役に名を連ねている。また2022年4月、日本流通産業新聞は斎藤氏を《相談役》と報じた(註1)。代表取締役は2022年から斎藤憶良氏が務めている。憶良氏は駿氏の長男だ。
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