“大英博物館”から相談も…「まんだらけ」古川益蔵会長に聞く、国主導の“マンガ原画保存” 「日本人は海外で評価されないと価値が分からない」

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原画の取り扱いをやめない理由

――まんだらけは原画の取り扱いで過去にトラブルになったこともありますし、批判されたこともあります。

古川:基本的に、法の中では原画の取引はやっていいと思います。それがおかしい状況になったら法を改正するべきだし、何よりまず、漫画家や出版社が意識を変えるべきでしょう。漫画家も出版社に預けて終わりではなく、ちゃんと期限までに返してもらうように要請する。出版社も契約書を書くなどして管理する。原画に関しては社会的な問題にならないと、特に出版社は変わらなかったと思います。最近は徐々に双方の意識が変わってきていますし、いい傾向だと思っています。

――日本は何かしらの事件が起こらないと、関係者の意識が変わらないというのは確かにあると思います。

古川:ただ、僕の知っている範囲だと、原画を大事にしようという機運も高まっていますが、原画はすべてデータ化しているので要らないと考える漫画家も増えてきました。

――確かにいらっしゃいますね。ネットオークションで販売されている漫画家、イラストレーターを見かけます。

古川:こんな大御所も売っているんだなと、びっくりして見ていますよ。当社への買取依頼もたくさんありますから、原画の流通量は全体的に増えていると見ています。ただ、ネットオークションへの出品は存命の漫画家が行っているかもしれませんが、亡くなった方の場合はどうするのでしょうね。できることなら公的な施設が受け入れるか、もしくは中古市場が正しく扱っていく必要があると僕は思います。

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