“大英博物館”から相談も…「まんだらけ」古川益蔵会長に聞く、国主導の“マンガ原画保存” 「日本人は海外で評価されないと価値が分からない」
原画が高騰するのは日本の漫画が凄いから
――「まんだらけ」のオークションを見ると、宮﨑駿先生や鳥山明先生の色紙、スタジオジブリのセル画が高騰しています。ものによっては1,000万円を超えたものもありますね。
古川:原画や色紙の人気自体は、当社が商売を始めた1980年頃からありました。ただ、当時は国内のコアなマニアの間だけで売買されていたのです。近年は市場が広くなり、海外のコレクターが当社のオークションに入札するようになりました。さらに、マニアだけではなく、絵画などの美術品に興味を持っている人も手を出しはじめ、購買層が厚くなっています。これが、高騰の最大の要因でしょう。
――外国人の購入者も多いのでしょうか。
古川:ものすごく多いですね。特に、宮﨑さんや鳥山さんの作品は、ヨーロッパやアメリカ、中国、ロシア、中東、アフリカ、中南米など、世界中に均等にコレクターがいます。これは漫画やアニメの人気が高まり、ステータスが上がってきたためでしょう。
――日本の漫画やアニメが世界で知られ、人気が高まっているのがよくわかります。
古川:さらに、近年の傾向ですが、海外の博物館も当社のオークションに参加しているんですよ。海外では既に、漫画やアニメがアカデミックなものになっていますし、文化としての価値や位置づけが日本よりも確立されてきているのではないでしょうか。それだけ日本の漫画やアニメの評価が進んでいるのですから、落札価格が上がるのは当然だと思います。
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