「お前らやってないだろうな」 ヤクザが特殊詐欺・強盗に注力する時代、「ルフィ事件」の関係が疑われて高山若頭に呼び出された組織は?
合わせて数千万円規模
今年10月、6代目山口組の2次団体・2代目竹中組の組員が特殊詐欺グループの主犯格として、詐欺容疑で逮捕された。その他にも窃盗容疑で6代目の3次団体幹部が逮捕されている。ヤクザが特殊詐欺や強盗事件の指示役として訴追されることが増えてきた印象だが、実態はどうなっているのだろうか?
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「逮捕された組員は、ちょうど1年前、埼玉県の70代女性に電話をかけ、孫を装ったうえで“結婚している同僚を妊娠させてしまった。示談金が必要になった”と言って、150万円をだましとった疑いがもたれています。組員は特殊詐欺グループのまとめ役とされ、当然余罪も複数あり、合わせて数千万円規模の被害があるのではないかと当局はみています」
と、担当記者。
相前後して、6代目の3次団体・柳川興業の幹部が窃盗容疑で逮捕された。柳川興業は秋良連合会の傘下組織だ。
当局の関心は?
「逮捕されたのは柳川興業の事務局長らで、去年12月、奈良県橿原市の住宅に侵入し、2億円弱の金品を盗んだ窃盗などの疑いがもたれています。この事件をめぐっては実行役が同じ容疑ですでに逮捕・起訴されており、その捜査の過程で指示役として事務局長らが逮捕されたという流れです。こちらも別の窃盗事件に関与した可能性が指摘されているようです」(同)
ヤクザが特殊詐欺や強盗事件の指示役として訴追されることが増えてきたようにも見えるが、実態はどうなっているのだろうか?
「そうですね。ヤクザのシノギとして、覚醒剤か特殊詐欺に絡んだ事案が増えたと言うか、そちらへの依存度がかなり高まっている印象を持っています」
と、竹垣悟氏(元山口組系義竜会会長で、現在はNPO法人「五仁會」を主宰)。
注目すべきは、どこまで「組織ぐるみ」なのかという点だろう。先の記者によると、「だまし取ったカネが、どこへ向かっているのかが当局の関心事項であることは間違いありません」とのこと。
上納金として上部団体に渡っていることが証明されれば、組織トップは使用者責任を問われることになるだろう。下っ端の組員が勝手にやっていたとしても、そのように当局が受け止めるかは別の話。もちろん物証が残されている可能性は低いのだが、検挙の格好の材料にはなりえる。身に覚えがない上層部からすれば、「お前らやってないだろうな」ということが関心事項になる。
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