“消費減税”まで検討も「岸田総理」に打つ手なし 早くも浮上する“ポスト岸田”には「元官房長官」と「初の女性総理候補」も

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まさかの「クリスマス選挙」!?

 このような状況となった以上、一旦腰を落ち着けて進めるべき政策を着実に実行し、来年9月の総裁選に勝負をかけるのが定石だろう。しかし、支持率が下がれば下がるほど頭を擡げてくるのが「解散総選挙に踏み切って勝利しない限り、総裁選出馬断念に追い込まれるのではないか」という懸念だ。自民党幹部はこう話す。

「減税カードまで切った岸田総理はもう解散以外に打つ手がない。このまま年を跨いだら、岸田おろしが始まりかねない」

 こうした中、官邸関係者は「岸田さんは年内解散も未だに視野に入れている。どちらに転ぶかまだ分からない」と明らかにする。しかし、日程は極めて厳しい。経済対策を盛り込んだ補正予算案が成立するのは、11月27日以降だと見られている。それから解散を宣言した場合、投票日は早くても12月24日となる。1年で最も多忙な時期の自己都合選挙。総理周辺も「さすがに国民から顰蹙を買う」などと岸田総理に慎重な判断を促している。

 そのため年内総選挙には補正予算案の審議前、もしくは審議中に解散を宣言するという「ウルトラC」(自民党国対関係者)が求められる。内閣支持率が下げ止まらない中で、判断は極めてハードルが高い。しかしそれでも強気の姿勢を示す自民党幹部もいる。

「維新への期待は下がってきている。立憲も支持が伸びる要素はない。自民・公明の与党は議席を減らしても、負けるということはない。今やった方がいい」

蠢き始めたポスト岸田

 一方で自民党内では岸田総理はもう解散には踏み切れないと見て、次を見据えた模索が始まってきている。二階派の幹部は語る。

「岸田総理が解散しようとしても、麻生副総裁と茂木幹事長が許さないだろう。茂木さんは選挙で負けた幹事長にはなりたくないだろうからね」

 茂木幹事長にとってみれば、岸田総理が総裁選出馬断念に追い込まれれば、総裁の椅子が転がり込んでくる可能性がある。茂木氏は周囲に「所得税減税は選挙のプラスにはならないねえ」と語り、不人気な岸田総理の政策から距離を置いている。ただ自民党内では、「岸田の後は茂木」というシナリオに難色を示す議員が少なくない。中堅議員は「茂木総理で国民的人気が出るわけもない」と渋い顔だ。

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