田中角栄 赤坂の料亭で流通前の新1万円札を取り出して…他の政治家には絶対にマネできない「カネと女」の流儀とは

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流通前の新1万円札を…

 次のような逸話が残っているのも、角栄の旺盛なサービス精神ゆえであろう。

「1958年、初の1万円札が発行された時、流通する前のその新札を料亭でふるまった、と聞いたことがあります」

 そう明かすのは、先の佐藤氏である。

「同席した芸者の話によれば、田中派ご用達の赤坂の高級料亭で、いつものように大広間で酒を飲んでいたところ、角さんが“今度出される新しい1万円札だぞ”と言って皆にそれを見せだしたそうです。芸者たちは当然、“見せて見せて”と寄ってきて、角さんは“もってけもってけ”と答える。あの性格ですから、配った新札の枚数は100枚はくだらないはずです」

 金の力で権力をつかみ、その出所を追及されて総理の座を手放すことになった角栄。そこにも、女性に対する彼の“情”があった。

「金銭問題が連日国会で取り上げられる中、佐藤昭さんにも野党の追及が伸びそうになっていた。角栄さんは“彼女が国会で尋問されるのは忍びない”として、総辞職を決断。結果的に彼女を守ったといわれているのです」(元番記者)

 絶大な権力を手中にした後も、角栄は自らの流儀を曲げなかったのである。

デイリー新潮編集部

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